オルフェノクの使い魔6
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すでに昨晩食べたものは消化してしまっているため、胃液が、胃の中が空っぽになるのではないかというほど吐き出され、強い酸の匂いが辺りに漂う。
「ッ!?!! ッ!?!?!?」
吐き終わると、今度は頭を抱えてもがきはじめ、声にならない悲鳴をあげる。それが十分近く続き、ようやく落ち着いた。
(油断…していた……まさか、ヤツに反応するなんて…ここ最近、そういうやつがいなかったから…完全に油断していた……)
ぐったりと倒れたサイトは、遠くから自分を呼ぶ声を聞いた。
――――――――――――――――――――――――――――
キュルケはパジャマのままでいるタバサを連れて早朝、服屋に行き、タバサの服を購入し、宿に戻ってくると、サイトがワルドに連れられて中庭のほうへ向かうのが見えた。
興味を覚え、タバサを連れて覗きに行った。
中庭では、ルイズを介添え人に二人は戦いを始めた。
「負けそうじゃない、サイト」
「変身してない」
「そういえばそうね。それにあのウォーターカッターってのも使ってないわね」
「手加減してる」
サイトが吹っ飛ばされて決着がつき、ワルドがルイズを連れて出て行ったとき、サイトの様子がおかしくなったことに二人は気ついた。
猛烈に嘔吐し、続いて頭をおさえてのたうちまわっている。
二人は慌てて飛び出した。
「サイト!?」
「ンくゥ…はグ…ああ…」
駆け寄り、声をかけるが、サイトはまだ、頭をおさえてあえいでいる。キュルケはサイトの頭をそっと上げ、その下に自分の膝を滑り込ませ、頭を降ろす。
少しすると、サイトの息が段々と落ち着いてきた。
「ハァ、ハァ…」
「サイト?」
「ん、んん……キュルケ?」
「そうよ。どうしたの? 大丈夫なの?」
「あ、ああ」
キュルケはうっすらと目を開けたサイトを心配そうに覗き込んだ。まだ、頭痛の余韻で頭がボーっとするサイトは数回頭を振ってから、体を起こそうとする。キュルケは慌ててそれに手を貸す。
「はい…」
「ん…」
体を起こしたところで差し出された水の入ったコップを受け取り、サイトはそれをゆっくりと飲んでいく。
「あんた、いつのまに水なんて取ってきたのよ?」
キュルケは水を飲むサイトを眺めつつ、さっきまで一緒にいたはずの友人をつつく。タバサはつつかれる度に振り子のように身体を揺らす。
「……たすかった」
コップをタバサに返し、サイトは若干ふらつきながらも立ち上がる。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「もう、平気だ」
「とてもそうには見えない」
「平気だ」
「…休むべき」
「あれは一時的なものだ。峠を過ぎれば、後は問題ない」
(それにおまえ
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