オルフェノクの使い魔6
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きは本気で口説こうかと女は考えた。
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「さっきのお金どうしたの?」
「ん? 金持ちそうな連中たちから少しずつちょろまかしてきた」
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翌朝、サイトはギーシュとの相部屋で目を覚ました。いつものように身体に異常がないかを確認する。
ギーシュはまだ隣りのベッドで夢の中だ。たまに女性の名前が出てくるが、今のところ同じ名前が出てきたことはない。
(キュルケの話だと出発は明日の朝、なら今の内にここの地理を覚えておいて損はないな。ついでに『金の酒樽亭』とやらの様子も調べておくか)
サイトは外に出るためドアを開けるとそこには丁度ノックしようとしていたワルドがいた。ワルドは驚いた顔をしたが、すぐにいつもの表情に戻った。
「おはよう。使い魔君」
「ああ」
「もしかして、これからどこかへお出かけかい?」
「ああ、じゃあ、そういうことだから」
そういってワルドの横をすり抜けて出て行こうとするサイトの前にワルドが割って入った。
「きみは、伝説の使い魔『ガンダールヴ』なんだろう?」
サイトの眉がピクンと動いた。
「誰に聞いた?」
「学院長にね。フーケの一件できみには興味を抱いたんだ。昨日、グリフォンの上で、ルイズに聞いたが、きみは異世界からやってきたそうじゃないか。
あの『土くれ』を捕まえた腕がどれほどのものか、知りたいんだ。手合わせを願いたい」
「これから用事があるんだ」
「さほど時間はかけないよ」
「……」
こちらがYESと応えるまで引き下がるつもりはないようだとさとるとサイトはため息をついてから首を縦に振った。
(任務の真っ最中に何を考えているんだ? どちらかが怪我でもしたらどうするきだ?)
「それで、どこでやるんだ?」
「この宿は昔、アルビオンからの進行に備えるための砦だったんだよ。中庭に練兵場があるんだ」
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サイトとワルドは練兵場で、二十歩ほど離れて向かい合った。サイトの手には既にトライデントが握られている。
「昔、かのフィリップ三世の治下には、ここでよく貴族が決闘したのもさ」
「御託はいいからさっさと始めろ」
「そう焦らないでくれ、立ち会いには介添え人がいなくてはね。ああ、もう呼んであるから大丈夫だ」
ワルドがそう言うと、物陰からルイズが現れた。ルイズは二人を見ると、はっとした顔になった。
「ワルド、来いって言うから、来てみれば、何をする気なの?」
「彼の実力を、ちょっと試したくてね」
「もう、
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