オルフェノクの使い魔5
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シルフィード?」
「シルフィード? それって確か、ミス・タバサの使い魔のウィングドラゴン?」
矢の雨がやんだため、空を見上げると、そこには、月を背にした一匹のドラゴンがいた。
強襲してきた者たちは恐れおののき、夜空に向かって矢を放ち始めた。しかし、それは風の魔法で反らされた。続いて小規模な竜巻が舞い起こり、崖の上の者たちを吹き飛ばす。崖から落とされた男たちはうめき声を上げている。
シルフィードが地面に降り立つと、キュルケが飛び降りた。
「お待たせ」
ルイズがグリフォンから飛び降りて、キュルケに怒鳴った。
「お待たせじゃないわよ! 何しにきたのよ!!」
なんでもキュルケは朝、出発していくサイトたちを見かけ、興味を覚えてタバサを叩き起こし、シルフィードで追いかけてきたらしい。
キュルケのわがままの被害者であるタバサはパジャマにナイトキャップ姿でシルフィードの上で読書をしている。
「子爵、あいつらはただの物取りだ、と言っています」
ルイズとキュルケが怒鳴り合いをしている中、男たちを尋問していたギーシュがワルドに報告する。
「フム…なら捨て置こう」
「待て、こんな用意周到に武装した物取りがいるものか。それに、こんな夜間に、人が通る可能性などほとんどないもに関わらず、待ち伏せをしていた。どう考えても、我々をターゲットにしていたとしか考えられない。少し痛い目にあわせてでも情報を聞き出すべきだ」
「君は、ここでこのものたちを拷問しろと? そのようなこと、貴族のすることではないな。
君は深読みしすぎだ。それに我々は急ぎの任がある。こんなところで立ち止まっている時間はない」
ルイズ、キュルケ、ギーシュがワルドの意見に賛成したため、一行はラ・ロシェールへ向かった。
―――――――――――――――――――――――
一行は、ラ・ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』亭に泊まることにした。
ついてすぐに乗船の交渉のため、『桟橋』へ向かったワルドとルイズが1階の酒場にいるキュルケとギーシュのもとに帰ってきた。
「サイトとタバサは?」
「なんか、サイトは用があるって少し前に出て行って、タバサはそれについて行ったわ。
それで、船のほうは?」
キュルケの問いに席についたワルドが、困ったように言った。
「アルビオン行きの船は明後日にならないと、出ないそうだ」
「ふ〜ん」
明日一日空くことがわかり、テーブルの上にぐったりと体を預けていたギーシュが嬉しそうな顔をする。
「さて、今日はもう寝よう。部屋を取った」
ワルドはカギ束をテーブルの上に置いた。
「キュルケとタバサ、ギーシュとサイトがそれぞれ相部屋だ。そして、ルイズはボクとだ」
キュ
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