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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔5
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しいんだって」

「面倒だな」

小さくため息をつくとルイズの後について歩き始めた。
残された二匹がルイズを睨んでいたことに二人は気づかなかった。


――――――――――――――――――――――――――――


王女を迎える式典は、大急ぎで用意したにもかかわらず、それを感じさせないほど立派なものだった。
サイトはルイズの半歩後に立ち、それに参加した。
王女が生徒たちを見たとき、ルイズの姿を見てわずかに微笑んだのと、王女の護衛だと思われるグリフォンに乗った凛々しい貴族を見たルイズの表情が変わったことがサイトの印象に残った。

「……」

「……」

その日の夜、ルイズの様子はおかしかった。立ったり座ったり、もじもじしたかと思えば遠い目で空を見上げる。
まぁ、難しいお年頃というやつか。と、妙にジジ臭い結論に達したサイトはそんなルイズをそのままに指定席となっている窓に腰掛け読書を始めた。
そんなとき、ドアがノックされた。
ノックははじめに長く二回、次に短く三回叩かれた。

(なんの儀式だ?)

突然、挙動不審だったルイズが急いでドアを開けた。そこには、真っ黒な頭巾を深くかぶった少女だった。
少女はそそくさと部屋に入り、後ろ手でドアを閉め、杖を取り出し、短くルーンを呟いた。

「…ディティクトマジック?」

「ええ、どこに目や耳があるか分かりませんからね」

少女は頷くと盗聴されていないことを確認してから頭巾を取った。
現れたのは、すらりとした気品ある顔立ちに、薄いブルーの瞳、高鼻が目を引く少女、なんと今日、突然、学院を訪問したアンリエッタ王女だった。

「姫殿下!?」

ルイズが慌てて膝をつく。サイトは窓に座ったまま、アンリエッタを眺めていた。

「お久しぶりですね。ルイズ・フランソワーズ」

アンリエッタは涼しげな、心地よい声で言い、感極まった表情を浮かべ、膝をついたルイズを抱きしめた。

「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」

サイトは、美少女たちが抱き合う姿を見つつ、会話から二人が幼い頃からの知り合いであること、アンリエッタは近々、ゲルマニアという国の王族と政略結婚することがきまったことなどを聞き取った。
そして、アンリエッタの要件とは、自分の政略結婚を阻止しようとしている連中がおり、その連中にアンリエッタが過去に現在、内乱真っ只中にあるアルビオンの王子(負けかけている方)宛てに書いた恋文を発見されたら、政略結婚は破棄されてしまうため、その恋文をとってきてほしいというものだった。

(ただの学生に頼みにくる内容じゃないな)

そんなことを冷静に考えているサイトの目の前でアンリエッタとルイズが三流映画でもやりそうのない、やり取りをしている。

「無
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