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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔4
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たいこと?」

「何故、ここにこれが、カイザギアがここにある?」

「ほぉ、これはカイザギアというのかね」

「で、何故だ?」

さらに一歩踏み出し、眼光を強める。

「これは、ワシの家に代々受け継がれてきた家宝じゃ。もともと貧乏貴族で領地らしい領地も持っておらんかったから、ワシがこの学院の学院長に任命されたとき、屋敷を引き払ってここに持ってきたのじゃ」

「…代、々?」

「ウム。ワシはこれが何なのか、わからんかったが、代々『人超えし者のみに許されし衣、人身につければ呪い殺される』と言い伝えられてきた。名前はつたわっとらんかったから、ワシが勝手に『呪われし衣』と名づけ、宝物庫に封印したのじゃ」

サイトはオスマンをじっと見る。その瞳に嘘はないようだ。

「して、君はさっきの話から推測するに『人超えし者』のようだが?」

「ああ、俺は人間じゃない。オルフェノク…人間の進化体だ」
(進化の代償に短命なんじゃ進化したといえるかどうか怪しいけどな)

「人間の進化体?」

「一度死ぬことで人間という殻を破り捨ててなることの出来る存在だ。しかし、誰もが絶対になれるわけじゃない。かなりの低確率でなれる。俺は偶然当たりだったみたいだ。
オルフェノクは己の心の奥底に眠る本能と言う名の生物を外面に具現化させている…なんて説いた学者もいたらしいけど、本当のところ、ほとんど分かっちゃいない。
とりあえず、オルフェノクは大きく分けて二つ。オリジナルとセカンドがある。オリジナルはさっき言ったように死ぬことでオルフェノクとして覚醒した者のことを言う。セカンドとは、オルフェノクに力を注ぎ込まれて覚醒した者を言う。能力としては圧倒的にオリジナルのほうが強いな」

一瞬だけミズチオルフェノクになり、すぐにサイトへと戻ってみせた。

「…あなたは?」

「俺か? 俺はオリジナルだ」

学院長室にいやな沈黙が流れた。サイトは世間話をするようにいっていたが、つまり、死んだことがあると言うことである。

「死因を聞いてもいいかね?」

今まで黙っていたコルベールが身を乗り出した。研究者としての血が騒いだのかも知れない。

「俺が、スラムのトップをやっていた女のお気に入りになったのが、気に入らないって連中にリンチされた」

学院長室の空気がさらに重くなった。

「…さて、君たちの、シュヴァリエの爵位申請を、宮廷に出しておいた。ミス・タバサはすでにシュヴァリエの爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」

「ほんとうですか!?」

重たい空気に耐えかね、オスマンは明るい話題を振り、キュルケがそれにくいつく。

「ほんとじゃ。君たちはそれくらいのことをしたのじゃから」

ルイズも嬉しそう
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