オルフェノクの使い魔3
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「峡児、これは…デルタギア?」
「ええ」
「でも、デルタギアは帝王のベルトを生み出す過程で修復不可能にまで解体と分析されたんじゃ?」
「しかし、ここにある」
「なぜ?」
「どうやらベルトには自己修復機能があるようです。我々も知らなかった事実です。しかし、今回の件で花形前社長の研究室を調べなおした結果、ファイズ、カイザ、デルタを研究所から奪取したさい、当初、彼はベルトの破壊を試みたそうです。だが、ベルトは灰からでも再生したとのことです。数年はかかるそうですが」
「灰から?」
「ええ、この効果を元に、新たな我々の延命策を改めて打ち出す予定です」
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『土くれ』の二つ名でトリスティン中の貴族を恐怖に陥れているメイジの盗賊がいる。土くれのフーケである。
フーケの盗みは、繊細なものから大胆不敵なものまでと行動パターンが読めず、治安を預かる王室衛士隊も振りまわされている。
盗みに錬金術を用い、壁や扉を土くれにかえることからその二つ名がつけられた。
その人物が魔法学院の宝物庫の前に立っていた。
「さすがに魔法学院本塔の壁ね…あのハゲからの情報が正しいとしたら物理攻撃が弱点なんだろうけど、私のゴーレムでも無理そうね。
ったく、なんて分厚い壁なの!」
壁の厚さを測ったフーケは苛立たしげに宝物庫の扉にヤクザ蹴りをドカドカとぶつける。
「『呪われし衣』をやっとここまできて、諦めるわにゃあ、いかないしねぇ……」
腕を組み、じっと考え始めた。
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「ああ〜っと」
「タバサ…」
「タバサか、覚えた。俺は平賀サイトだ」
「……」
サイトは隣りに座って本を読んでいる小さな蒼い髪の少女、タバサに話し掛ける。
二日前、サイトに犯されそう(あくまでも脅しただけ)になり、マジ泣きして許してもらい、代わりに朝までワインをガバガバ飲むザルのサイトに突き合わされ、二日酔いで丸一日動けなくなったキュルケは翌日復活し、現在、サイトとタバサの前でルイズとけんかをしている。
原因はサイトが着た切り雀であるため、服が傷む前に服を要求、丁度、休みであったため、街に買いに行き、それなりのものをそろえて帰ってきた数分後、ブランド物の服を持ったキュルケがタバサをつれて参上、そしてあっというまにケンカに発展していってしまった。
あんな事したわけだし、もうまとわりつかれることなんてないだろう。と思っていたサイトの予想通りとはならず、むしろキュルケに「今までにいなかったタイプ、絶対におとしてみせる!!」と変なスイッチを入れてしまったらしい。
「まったく、仲がいいのはわかったから、周りを巻き込むなって
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