オルフェノクの使い魔3
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こからあのゴーレムを操っていたのかしら?」
キュルケがそう尋ねると、ロングビルはわからないというように首を振った。
「『呪われし衣』が本物であるか確認したいので、貸してください。フーケの用意したダミーかもしれませんし」
「本物だ。実際に使えたし」
カイザドライバーを受け取ろうと伸ばしてきたロングビルの手を避ける。
「もしかしたら、精巧なダミーかもしれません」
「ありえない。これを作るのだった何年もかかったと聞いている」
なおも食い下がるロングビルの手を避けていく。
「それよりもミス・ロングビル、フーケの行方を探しましょう!」
周りにいないのなら、この中に潜んでいるのでは? とゴーレムの残骸で出来た土の小山を探し始めた。
と、そのとき、ロングビルが呪文を唱えた。土から四本の手が伸び、ルイズたちをとらえた。周囲を警戒していたサイトは自分を捕まえようと伸びてくる土の手を叩き落した。タバサが呪文を唱えようとしたが、土が口を塞ぐ。
「どういうことよ! ミス・ロングビル!!」
自分の属性上、下手に使えば自爆することが分かっているらしく魔法を使おうとしていないキュルケが叫んだ。
「さっきのゴーレムを操っていたのは、わ・た・し」
「え、それじゃあ……」
「そう、私が土くれのフーケ。それにしてもさすがは『呪われし衣』、私のゴーレムが
まったく歯が立たなかったわ」
メガネを捨て、本性を表したロングビルは、サイトが土の手から逃れたことに気がついた。
「あら? 一匹逃げられてしまったわ。まぁ、いいわ。あなたは確かこの子の使い魔だったわね。御主人様が酷い目に合わされたくなければ大人しく『呪われし衣』を渡しなさい」
「ダメよ! サイト!!」
「あなたは黙っていて」
「んー! んんーー!!」
まだ口が自由だったルイズの口も土が塞ぐ。
「こいつはある条件をクリアした者にしか使えない。おまえが使っても待っているのは死だけだぞ」
「いいから渡しなさい。これ、とったのはいいんだけど、使い方がまったく分からなくて困っていたのよぉ。どんな凄いお宝でも、使えなくちゃ意味がないでしょ? あなたのおかげで使い方が分かった。ありがと」
「そうか、では、ついでにいい事を教えてやる」
「何かしら?」
サイトは一瞬だけこの場にいて土の手にとらわれていないウィンドラゴンに目配せした。
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