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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔3
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詳しく説明したまえ」

ルイズが一歩前に出た。

「はい……大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。肩に乗っていた黒いメイジがこの宝物庫から何かを……その、『呪われし衣』だと思いますけど……盗み出したあと、またゴーレムの肩に乗りました。ゴーレムは城壁を越えて歩き出して、サイトが…私の使い魔がゴーレムを破壊したんです。そのあとすぐに周りを探したんですけど、黒いメイジはどこにもいませんでした」

「フム…君、どうやってゴーレムを壊したのかね?」

オスマンは再びサイトを見る。

「『ウォーターカッター』ってわかるか?」

「『ウォーターカッター』?」

「水を一点に収縮して、物凄い勢いで放つ。そうすることで剣なんかよりも切れ味のいい刃になる」

ルイズに「なんて口の聴き方をしているの!!」と叱られたが、サイトは気にすることなく、こんな風にと言って近くにあった岩を斬った。その断面はギーシュのワルキューレたちと同じ鏡のように反射するほど綺麗に斬れていた。

「ほぉ、これは凄い」
(水を得意としているようじゃな。治療回復などがメインである水で、これほどの威力を苦もなくやりとげておる……トライアングル…いや、下手をすればスクウェアクラスじゃな)

「こんな手品よりも今は泥棒探しが先じゃないのか?」

「おお!! そうじゃった、そうじゃった! で、後を追おうにも、手がかりはナシというわけじゃったな……」

それからオスマンは、気がついたようにコルベールに尋ねた。

「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」

「そういえば…朝から姿を見ておりませんね」

「この非常時に、どこへいったのじゃ」

「ただいま戻りました」

「おお! ミス・ロングビル、どこへ行っておったのじゃ?」

メガネをかけた美女が現れた。どうやら彼女がミス・ロングビルらしい。

「申し訳ございません。朝から、急いで調査をしておりましたの」

「フーケの?」

「そうです。起きてみるとこの騒ぎ、宝物庫にあったサインを見つけ、急いで調査をいたしましたところ、フーケの居場所がわかりました」

「な、なんですと!」

コルベールが、素っ頓狂な声をあげた。

「近在の農民に聞き込んだところ、近くの森の廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです」

サイトが目を開き、ロングビルを見据える。
オスマンは、目を鋭くして、ロングビルに尋ねた。

「そこは近いのかね?」

「はい。徒歩で半日。馬で四時間といったところでしょうか」

コルベールが王室に報告しようと言ったが、オスマンに怒鳴られた。この件はどうやらこの魔法学院内でけりをつけるつもりらしい。

「では、捜索隊を編成する。我と思う
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