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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔3
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思わないか?」

「?」

サイトの言っていることが分からず、タバサはケンカする二人を見た。最初は口ゲンカだったが、段々、熱を持っていき、現在はつかみ合いに発展している。この状況を見てどうして仲がいいなんて言葉が出てくるのだろう。

「本当に嫌いだったらお互いに干渉しないはずだ。でも、二人ともあえばケンカだが、会話を交わす」

「……」

「ん? どうかしたか?」

「……(フルフル)」

きょとんとサイトを見るタバサに問い掛けると首をわずかに振った。どうやらなんでもないという意味だったようだ。

「…本、好きなのか?」

「……(コクン)」

のんびりした雰囲気の二人をよそにルイズとキュルケがついに杖を抜いた。
さすがにヤバイと感じたサイトの指先に空気中の水分が集まるよりも早く、タバサが杖を抜き、次の瞬間、風が二人の杖を奪った。

(へぇ、見た目よりも実力があるみたいだな)

「室内」

「タバサの言うとおりだ。俺はかまわないが、外で寝ることになるぞ」

よくやったと、再び本に視線を戻したタバサの頭を撫でつつ、呆れ顔で二人を見る。二人は睨み合いながらも杖を収めた。
さてこれからどうするかと思考を巡らせていると、タバサが二人に歩み寄り、何か耳打ちしている。
タバサが出した意見に二人も同意したらしく、頷き、サイトのほうを見た。

「それでいいわ」

「そうね。それでいきましょう」

サイトは嫌な予感を感じた。


――――――――――――――――――――――――――――


本塔の外壁に張りついていたフーケは、誰かが近づいてくる気配を感じた。
とんっと壁を蹴り、すぐに地面に飛び降りる。地面にぶつかる瞬間、小さく『レビテーション』を唱え、回転して勢いを殺し、羽毛のように着地する。それからすぐに中庭の植え込みに消えた。


――――――――――――――――――――――――――


決闘の内容は宙吊りにされたサイトを支えているロープを切り、7,8m上空からサイトを地面に落としたほうが勝ちということらしい。

(まぁ、オルフェノクだから、この程度の高さから落ちても死なないけどさ、人間だったら下手すりゃ死ぬぞ。あいつら俺の取り合いしてたんだよな? 賞品が死んでいいのか?)
「お互い、騒がしいやつが一緒にいると大変だな」

自分を支えるロープの端をくわえているウィングドラゴンの背に乗ったタバサに話し掛けると、彼女も同意見なのか本を読むのを止め、コクコクと頷いた。
下にいる二人が競技を始めたらしいルイズの詠唱する声が聞こえ、次の瞬間、サイトのすぐ後にあった本塔の壁が爆発し、ヒビが入った。

「…身の危険を感じたら迷わず逃げていいぞ」

「……(コクコク)」
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