オルフェノクの使い魔2
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応えた。
「昼間の決闘のとき、ギーシュのワルキューレを倒したのを見ていらしたそうよ」
「なるほど、厄介な力を持ったやつを野放しにしておくわけにはいかないってことか」
今さらながらやるんじゃなかったと思った。あの時サイトはオルフェノク化することなくオルフェノクの力をつかったのだ。ついでにワルキューレの攻撃に耐えられたのは当たる瞬間に、その部分だけオルフェノク化させていたからである。
「俺は魔法使いじゃない」
(ついでに人間でもない)
「学校のみんながあれ見てるのよ。どうやって言い訳するのよ?」
「人の噂も七十五日、ほっとけば忘れるだろ?」
「それはないと思うんだけど…」
「まったくどいつもこいつも、よく分からないことがあればすぐに魔法魔法かよ…」
くだらないと吐き捨てて床に座り込むと渡されたマントを自分の体にかけた。
「これは寝るときに使えそうだからもらっとく。だが、魔法使いになるつもりはない」
そういうと目を閉じた。ルイズがまだ何か言っていたがすべて無視した。
――――――――――――――――――――――――――――
サイトがルイズの使い魔になって一週間が過ぎた。
(つまらない…こんな風に残りの命を削るのか?)
そんなことを考えつつ、夜、外で体が戦いを忘れないようにと動かしていると気配を感じた。振り返るとキュルケの使い魔であるサラマンダーのフレイムがいた。
「ん? なにかようか?」
フレイムはサイトを気に入ったらしく、特に何もなくてもよくサイトの元へやってくる。フレイムはサイトのところへやってくると袖をくわえ、どこかへ連れて行こうと引っ張り出した。振り払おうかと思ったが、退屈しのぎになるかもしれないと思い直しておとなしくついていくことにした。
フレイムに連れていかれた場所はルイズの部屋の隣り、キュルケの部屋だった。サイトを部屋に入れるとフレイムは部屋を出て行った。
「何のようだ?」
「とりあえず、扉を閉めて」
真っ暗の部屋の中からキュルケの声がした。サイトは言われたとおりにした。
「ようこそ。こちらにいらっしゃい」
「わかった」
真っ暗な部屋の中をサイトは迷うことなくキュルケの元へ歩み寄り、キュルケの隣りに腰をおろした。
「見えるの?」
「ああ、夜目は恐ろしくいいんだ」
「ふ〜ん、でも、このままじゃムードがないわね」
キュルケが指を弾く音がする。それと同時に部屋にあるロウソクが次々と灯っていく。
すべての明かりが灯り、サイトの隣りにいるベビードールのみを纏ったキュルケの姿を照らした。
「何のようだ?」
落ち着いた仕草のサイトにキュルケの眉がぴくりと動いた。彼女の経験上、自分
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