オルフェノクの使い魔(ゼロの使い魔←劇場版仮面ライダー555)
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「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。でも、彼女が努力家ということは聞いています。さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい」
「ルイズ。朝の事を根に持っているなら謝るから、お願いやめて」
キュルケが蒼白な顔でいった。
「やります!」
ルイズはつかつかと教室の前へと歩いていった。他の生徒たちの悲鳴や断末魔を背負って…
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
こくりと小さくうなずいて、ルイズは懐から出した小さな杖を振り上げる。教壇の近くにいる生徒たちは、机の下に避難していた。サイトもとりあえず、その生徒たちにならって机の下に潜る。緊張に微震する声が、短いスペルを詠唱する。
そして、杖が振り下ろされた瞬間、石が爆発した。
黒煙と粉塵が晴れ、衝撃で外れ落ちた黒板をバックに、人型がむくりと立ち上がった。
煤に塗れた顔で呆然としているのは、桃色の髪の少女。マントはボロボロ、ブラウスは破れかぶれ、スカートの裂け目から、パンツが見えている。見るも無残な格好ではあったが、ルイズは無事だったようだ。
そのすぐ近くにシュヴルーズが倒れ付している。サイトはとりあえずシュヴルーズの状態を確認する。
「気絶しているだけか…おい! だれか、このバアサン医務室に連れてけ、それと男子! 喚いてないで怪我人を後ろに集めろ! 女子で怪我を治せるやつがいるんなら、やれ!!」
サイトがすばやく指示を飛ばす。その怒鳴り声に生徒たちの視線がサイトに集まる。
「平民が威張るな!!」
「ゼロのルイズの使い魔のくせに!!」
こんなときでもこんな言葉が出てくるのかと内心感心してから、サイトは拳を振り上げ床に叩きつけた。次の瞬間、石畳の床に直径1m前後のクレーターが生まれた。
「いいから、やれ」
殺気のこもった視線を放った。クレーターとサイトの視線にビビッた生徒たちは慌ててサイトの指示どおりに動く。
重傷者は気絶したシュヴルーズ以外いなかったらしかった。
――――――――――――――――――――――――――――
サイトの的確な指揮により、教室は1時間授業をまるまる潰すだけで元通りに戻った。シュヴルーズが息を吹き返したが体調不良を訴え、午前中の授業は休講となった。もしかしたら、トラウマになったかもしれない。
部屋に戻ったルイズとサイトはお互い黙ったまま、ルイズは本を読み、サイトは外を眺めていた。
その沈黙に耐えられなくなったかのようにルイズは本を閉じ、サイトのほうを向いた。
「……なんなのよ、あんたは」
「あ?」
「あんなふうにみんなを動かして」
「慣れてるからな」
「……」
「……」
「聞かないの?
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