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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第十四話
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願いって?新しい薬の実験台になってくれるなら喜んで聞いてあげるけど♪」
リタが面倒そうに、ハロルドが楽しげな笑みを浮かべながらそう言ってきたが、僕は真剣な表情で二人を見る。
僕のお願い……それは先程のドクメントの説明を受けて…自分自身に気になった事…。
「僕のドクメントを……展開して欲しいんだ」
「……アンタ、さっきの話聞いてた?どうせ、アンタの記憶の事についてだろうけど…これは、調べる対象に相当な負担が掛かるのよ?それこそ記憶なんて事になったらどんだけ深く調べるか……――」
「ううん。別にそこまで調べなくていい。ただ……展開してくれればいいんだ」
「……どういうこと…?」
僕の言葉にリタが先程までの面倒そうな表情から一気に表情が変わりそう聞いてくる。
それもそうか…いきなり現記憶喪失設定の僕がそんな事いいだしたらなぁ…。
でも………。
「……理由は上手く言えない。だけど…お願い。少しの間でいいから、展開してください」
「……アンタねぇ…」
「いいんじゃない?展開してあげれば」
僕の言葉に、どこか怒ったように見えるリタが言いかけた時、ハロルドがそう口を開いた。
「調べられる対象がどうなるか本人も知ってのその言葉だし。それに、衛司の場合はこうなったらだーいぶ諦めないわよ」
「……分かったわよ」
ハロルドのその言葉に、リタは一度深めな溜め息を吐くとそう言って僕の前に立った。
…良かった……後でハロルドに感謝しとこう。
「……先に言っとくけど、アンタも知っての通り、ドクメントを展開される対象はそれなりに疲労するから、辛くなったり、気分が悪くなったら直ぐに言うこと。分かったわね?」
「うん…。宜しくお願いします……」
リタの言葉に僕は頷いてそう言った後、ゆっくりと目を閉じる。自分なりの意識集中である。
因みに現在、研究室には僕とハロルドとリタしかいない。
もしも僕の考え通りなら……この事実を知るのは出来る限り少数がいいからだ。
そして目を閉じて数秒後、自分の周りに奇妙な音が聞こえた気がした。多分、ドクメントが展開されたんだろう。
そして――
「――…嘘……何よ、これ…」
「――ふぅん……成る程ねぇ…」
少しして聞こえ始めた、驚いた様子の声と、意味深に調べるような声。
そして、僕はゆっくりと目を開けると……――
「……やっぱり、か…」
僕の周りに展開されたドクメント。それは先程、メルディに展開された白く、綺麗な輪ではなく――今にも崩れそうに脆く、やや灰色に近い物であった……。
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