ピンチの中で
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よサクマ!」
俺の背後からそんな声が響く。
そんな、嘘だろ?俺がそんなことを考えるよりも早く俺の後ろから、短い武器を持った少年が駆け抜けてグレートパピヨンへと斬りかかる。
「サーペンタイン!!」
あれは短剣が覚えるスキル。
物理の必中攻撃。だがヘイトが大きく上昇し狙われやすくなる技だ。
いや、そんなことはどうでもいい、だって。
「ユウ…!」
動きが止まった少年の武器。
見間違えるわけがない。簪。
あんな武器装備してる奴はユウしかいない。
「サクマ!大丈夫!?」
そんなことを言いながらユウは俺へと微笑む。
「…ああ。すげー助かった…!」
「サクマ、助っ人は僕だけじゃないよ!」
後ろから短い詠唱が聞こえてくる。
「敵を燃やし尽くせ…ファイア!!」
「ピギャアアアア!!」
その詠唱と共に俺の手と足を絡めていた糸と共にフォーモスを炎が燃やしていく。
「カレン…!」
こんなことってあるんだろうか。
ピンチの場面に助っ人、しかもこんなに頼れる2人が。
「お前ら…、ったくタイミング良すぎなんだよ!」
ヘイトが上昇したユウがグレートパピヨンのタゲを取っている間に、カレンが俺の元に駆け寄る。
「大丈夫サクマくん!?」
「なんとか…な。本当カレン達が来なかったら死んでたぜ…。」
カレンはメニューウィンドウを開くと、オブジェクト化させたモノを俺に渡す。
「サクマくん、これ飲んで?」
カレンが俺に差し出したのは青い液体が入った瓶。
「ポーション…!いいのか?」
カレンは「うん!」と言うと、ポーションの蓋を開け俺の口元に近付ける。
「ほら、口開けて?」
「お、おう…。」
ゴクッ…ゴクッ…ん…。
みるみると俺のHPがグリーンゾーンまで回復していく。
カレンが俺の口元からポーションを離す。
「すまねぇ、本当に助かったカレン。」
「…………。」
……?
俺がカレンを見ると顔を赤らめてる。
「ん?どうした?」
カレンは俯いたまま俺に話す。
「…わざわざ飲ませなくても、サクマくんに渡せば良かったかなって…。」
俺も顔を赤らめていた理由を理解すると、俺まで変に意識してしまう。
だがそんな空気は長く続かなかった。
「サークーマぁぁぁ!!」
そんな叫びが響き渡り、ハッとする。
時折俺とカレンの方を見ながらユウがグレートパピヨンと戦いを繰り広げていた。
ユウが振り回す武器は、何かに八つ当たりしているようにも見えるが気のせいだろうか。
「ユウ!一気に仕掛けるぞ!」
その言葉を聞いたユウは頷く。
「カレン、倒すぞアイツを!」
「う
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