第6章:束の間の期間
第197話「明かされる謎」
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てからになります。それでも構いませんか?」
「……一応、後者の方は明日ぐらいには今の時間軸に漂着するんだけどな」
「それなら問題ありません。治療自体にそんな時間は掛かりませんので。受けたダメージで目が覚めるのが遅いだけです」
そういうや否や、治療が終わったのか淡い光が収まる。
ソレラの見た目には違いがないが、心なしか寝息が落ち着いていた。
「少し、離れていてください」
「分かった」
調べるために、祈梨は優輝に離れるように言う。
そして、祈るような体勢を取り、理力が解き放たれる。
優輝にはその理力は未知の威圧感となって感じられた。
「………」
「………なるほど」
少しして、祈梨は納得したように呟いた。
「幽世との境界についてですが、明らかに邪神イリスの干渉……あの“パンドラの箱”の影響を受けています。尤も、もう干渉した後なので、悪化する事はありませんが……幽世との境界はなくなってしまいますね」
「……それはつまり、現世と幽世が行き来できるようになってしまうと言う事か?」
「そう捉えてもらって構いません」
裏を返せば、もう阻止する事は不可能と言う事でもある。
「次に、時間漂流している存在ですが……漂流している存在の中心から、強い意志を感じました。何としてでも、この世界に辿り着こうとしているようです」
「害意はないのか?」
「悪意の類は感じません。その点においては大丈夫でしょう」
「そうか……」
しかし、具体的な事は分かっていないと、優輝は思う。
そのために、追及する。
「どうやって二つの事について調べたんだ?」
「やはり、説明が必要でしたか。……幽世との境界については、大地を通じて遠隔で大門を調べました。時空間は私の神としての力の一端を使い、漂流している存在について探りました。意志などに関する能力を持っているので、害意などがないか探る事が出来ます」
「……まだ抽象的だが……そういうものか」
神の力だ。具体的なものではないのかもしれない。
優輝はそう思い、それ以上聞くのはやめた。
「どちらも発端は“パンドラの箱”と言えるでしょう。あの装置があったために、今のこの地球を中心に、この世界そのものが変わっています」
「あれが発端……?けど、あれを解析した時に、そんな情報は……いや、あれも神界の物だとしたら……」
「はい。優輝さんの考えた通り、“パンドラの箱”……正しくは“エラトマの箱”の本当の効果は、その地に起きた災厄を再現する事ではありません。災厄は副次効果に過ぎず、本来の力はその世界の特異点化です」
結局の所、優輝でも正確に解析出来ていなかったのだ。
「詳しいな……」
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