第6章:束の間の期間
第197話「明かされる謎」
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で神界はその邪神に支配されたと言う事。少しぐらい反抗勢力は残ってるかもしれないけど、少なくとも原則的に格上しかいない相手に、この世界の戦力だけで勝つのは不可能だよ」
「あ……」
葵に言われて、司達も気づく。
そう。そもそも神界から攻めてくる時点で、絶体絶命なのだ。
規格外しかいない神界の神々相手に、優輝達では勝ち目がない。
「そうなりますね」
「随分冷静だな」
「そう見えますか?」
既に追い詰められてきているというのに、祈梨は落ち着いているように見えた。
感情を失っている訳でもないため、何かあるのか優輝が尋ねる。
「先程、手段は一つと言いましたが、厳密にはもう一つあります。神界がこちらに干渉しなければならないのは変わりませんが……要は、神界との“縁”を近くすればいいのです」
「………?」
祈梨の言葉を、司達は上手く理解出来なかった。
優輝や椿、葵は少しばかり考え込み……。
「……そういう事。攻めてくるのを待つんじゃなくて」
「こっちから攻めるって訳だね」
同じ答えに辿り着いた椿と葵が、祈梨の言おうとしている事を言った。
「攻め込む事で、向こうからも干渉してくる。こうなれば、神界が攻めてきた時と同じだ。そして、こっちから行動すれば、まだ神界側も決着がついていない時に攻め入る事も出来る。……そういう事だな?」
「はい」
優輝が補足し、祈梨はその通りだと肯定した。
「そういう事か……」
「確かに、それなら詰んだ状況は避けられる……」
帝と司が納得したように呟く。
尤も、詰んでいないだけで、依然状況は悪いのには変わりない。
「……でも、どうやってこっちから干渉するの?」
「あっ……」
さらに、奏の放った一言で、まだまだ穴だらけの理論だと司は気づく。
「そこについてはご心配なく。今、ここに神界の神が二人いますから。ソレラさんの協力があれば、私達が通って来た道を辿り、神界に干渉する事は可能です」
「そうか……」
攻め入る方法はあると分かり、優輝は改めて考えこむ。
「優輝君?」
「これからどう行動していくか決めないとダメだ。神界で既に戦いが始まっている今、猶予はそんなに長くない。かと言って、不用意にこっちから干渉したってまず勝てない。……なら、猶予ギリギリまで態勢を整えられるよう、行動していかなきゃならない」
悠長にしていると、結局神界側から攻め込まれる。
そうなった時点で、勝ち目なんてないに等しい。
だが、今すぐ攻めに行った所で、戦力も足りない。
準備が足りない状況なのだと、優輝は言う。
「その通りです。ソレラさんの回復は、私が行えばすぐにでも可能ですが…
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