第6章:束の間の期間
第197話「明かされる謎」
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簡潔に直面している問題について述べた後、祈梨は経緯を説明する。
「最初に気づいたのはサフィアさんでした。すぐさま他の神々に伝達するため、サフィアさんの姉のルビアさんが出来る限り足止めし、その間にサフィアさんが神界中を駆け巡り、邪神イリスの復活を伝えました。……あの場では最善ですが、同時に悪手とも言えました」
「それは……どうして?」
緊急事態を知らせるのは普通の事だ。
むしろ、そこまで危険な相手なら、伝えるべきだろうと司は思った。
「……全ての神が邪神イリスを敵視している訳ではありません。前回の戦いのように、便乗する悪神もいるのです。サフィアさんの行動は、そんな悪神を動かすのに十分でした」
だが、その行動がむしろ混乱を招いたと、祈梨は言った。
「各地で便乗した悪神が動き出し、その混乱で邪神イリスへの対処が遅れました。結果、足止めしに動いた神は全員洗脳され、ちょうどサフィアさんが私達に伝えに来た時に、私達も襲われました」
「その後、何とかして逃げ、ここに至る……と」
「はい。その際に攻撃を受け、しばらく眠る羽目になりましたが」
経緯の説明はそこで終わる。
後は優輝達も知っている通りだ。
「……情報が少ないな」
「そうね……。少しでも敵勢力の具体的な強さが分かればいいのだけど……」
経緯を聞いて、優輝や椿は少し思案する。
今までの謎が一気に解けたのは良かった。
しかし、それ以上の難題として、神界の戦いが起きた。
その情報は劣勢になっている事しかわからず、細かい事は不明だ。
「そうですね……物理的な強さはそれこそ、貴方達でも普通に勝てる神もそれなりにいます。しかし、神としての力は厄介となりますし、上位の神となれば、複数で戦わなければまず勝てないでしょう」
「……大門の守護者と同格以上が目安か?」
「そうですね。大門の守護者は、平均よりやや上の実力です。直接戦闘に長けた神相手でも、神殺しの特性がある限り、やり合えるでしょう」
「………」
戦闘と呼べない程圧倒的ではない事を喜ぶべきか。
それとも、とこよ並の力量が必要な事を嘆くべきか。
祈梨の言葉を聞いて、優輝達は黙り込んだ。
「私も、直接戦闘力は大門の守護者……いえ、この場合はとこよさんと言うべきですね。彼女と同等です。得意な得物なら負けませんが、それ以外は劣ると言った所です」
「っ………」
その言葉に、優輝がピクリと反応する。
そう。それは言い換えれば、神降しやジュエルシードなしであれば、祈梨はこの中で一番強いという事だ。
「……神界以外も巻き込まれる事から、皆さんも落ち着けないようですね。しかし、前提として貴方達
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