第十二幕その十二
[8]前話
「文学もあるんだ」
「あら、そうなの」
「だからサラも大阪を楽しむといいよ」
「そうさせてもらうわね」
「恋愛小説もあるしね」
「大阪の恋愛小説ね、だったらね」
サラは先生のお話を聞いて先生にこう返しました。
「兄さんもその人と行ったらいいのよ」
「大阪にだね」
「そう、電車で行って」
神戸からというのです。
「そうしてね」
「大阪を楽しむといいんだ」
「その人とね」
「その人っていうけれど」
首を傾げさせて返した先生でした。
「僕はね」
「だから兄さんはそこが駄目なの」
「そうなんだ」
「そう、その駄目さがね」
どうにもというのです。
「兄さんの困ったところよ、けれどね」
「先生も何時かきっとね」
「いい人とそうなれますから」
「その時が来ることはもう決まっているし」
「僕達は待っていましょう」
「そうね、気長にね」
サラは王子とトミーに笑って応えました。
「待っていましょう」
「そうそう、その日をね」
「楽しく」
「何がどうかわからないけれど大阪は好きだし電車もね」
その両方がというのです。
「僕は好きだしね」
「じゃあ行ってきなさいよ」
「その人とかな」
「兄さんからお誘いもかけてもいいしね」
「本当にいたらいいね」
「いないと思ってたらいないの」
こうも言ったサラでした。
「そしていると思ったらね」
「いるんだね」
「そうよ、だからね」
「僕もそうした人とだね」
「一緒に電車に乗って大阪に行って」
「楽しんでだね」
「幸せになってね、私だってね」
かく言うサラもというのです。
「うちの人とは今もいつも一緒だしね」
「あっ、そういえば今日ご主人は」
「大阪に買いものに行ってるわ」
その大阪にというのです。
「たこ焼きを買いにね」
「それでサラにだね」
「たこ焼きを食べさせてくれるのよ、あとお好み焼きもね」
「いいね、じゃあ駅弁を楽しんで」
「そうしたのも楽しんでくるわ」
「鉄道にも乗るね」
このことも聞いた先生でした。
「そうするね」
「イギリスには関西新空港から戻るけれど」
その時にというのです。
「空港までは南海線を使うから」
「ああ、あの私鉄だね」
「乗り心地いいし楽しんでくるわ」
「そうするといいよ」
先生は南海線を使うと答えたサラに笑顔で応えました。
「少しだけれど鉄道の旅を楽しんできてね」
「そうさせてもらうわ」
サラも笑顔で応えます、そうして今は先生達と楽しく駅弁を食べるのでした。
ドリトル先生と日本の鉄道 完
2018・9・11
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