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ドリトル先生と日本の鉄道
第十二幕その十一

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「だからね」
「そのこともいいんだ」
「背も高いし」
 先生は一八〇あります。
「温和な顔立ちでね」
「顔はよくないよ」
「人相がいいっていうの」
「人相なんだ」
「幾ら顔立ちがよくても人相が悪いと」
 どうかとです、サラは次のお弁当の蟹飯のそれを手に取りつつ先生にお話しました。
「駄目でしょ」
「うん、人相って大事だよね」
「美形でもヤクザ屋さんの人相だとどうかしら」
「もう台無しだよ」
「そうでしょ。だからね」
「僕は人相もいいからなんだ」
「もてない筈がないの」
 この結論を言うサラでした。
「絶対にね」
「それじゃあ」
「そう、自信を持ってね」
「おもてなしをすればいいんだ」
「これだっていう女の人がいたらね」
「そういえばいたわね、兄さんにも」
 トミーや王子から日笠さんのことはある程度聞いています、それでサラもこうしたことを言ったのです。
「じゃあその人をおもてなしすればいいわね」
「あれっ、僕にはそんな人いないよ」
「ああ、そこは駄目ね」
 先生の鈍感さにはこう言ったサラでした。
「全く。それで全部台無しよ」
「台無しって何がかな」
「兄さんの気付いていないことについてよ」
「そうなんだ」
「そう、けれど兄さんは気付いたら」
 その時はというのです。
「きっと素晴らしいことが起こるわ」
「そうだといいね」
「日本に入ることになったこともそうだしね」
「日本に来られたことはね」
「僕にとっていいことだね」
「皆にとってもね」
 こう先生に言うのでした。
「そうなのよ」
「そうなんだね」
「ええ、それとね」
 サラはさらに言いました。
「兄さん体重も減ったでしょ」
「有り難いことにね」
「脂肪率も減ってね」
「健康になったよ」
「そのこともいいことね、駅弁もね」
 これもというのです。
「ヘルシーだしね」
「カロリーは少ないね」
「それもいいことね」
「そうだね」
「何ていうか」
 さらに言うサラでした。
「兄さんにとってはいいこと尽くめね、日本は」
「そう思うよ、実際にね」
「沖縄も行ってるしね」
「いい場所だよ、あと大阪にはいつも行くしね」
「あの街ね、賑やかな」
「そうだね、あんないい街はないね」
「お笑いもあって」
 サラはこちらのお話もしました。
「いい場所よね」
「お笑いも盛んな街だね」
「野球もサッカーもあるけれど」
「大阪はお笑いと食べものがね」
 何といってもというのです。
「有名だよ」
「そうした街ね」
「そしてね」
「そして?」
「もう一つあるんだ」
 大阪には、というのです。
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