第4話
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力刃がきた方向に向けて射撃を始めた直後に、背後に気配を感じ、振り向きざまに痺れる腕でデバイスを振るうもそれは虚しく空を切った。
「はぁあああ!」
リョウはリュウジのデバイスが当たる直前にバックステップし攻撃を回避すると、更にフロントステップで攻撃に転じるが、それは対リュウジ戦においては悪手であった。
「甘い!」
直後、残り15個になっていたスフィアのうち2個が二人の間に躍り出て、そのままリョウに直撃する。
「あぐっ」
「そこだ!」
自動で設定してある防御魔法が発動し、リョウはダメージこそ余りないものの、体制を崩し、一瞬の隙を生む。直後、リュウジのガトリングシフトが作動した。
ほぼゼロ距離でのガトリングの直撃、これで勝敗が決したと、リュウジも離れてモニターしていたカレンもそう思っていた。
「・・・まだ・・・まだーーー!!」
その声と共に、リョウは急降下しながらデバイスを振り下ろす。リュウジの攻撃をまともに受け、意識を失いながらの攻撃のは、クリーンヒットとは行かないものの、その一撃は確かにリュウジを捉えたのであった。
リョウが気づいたのはその日の夜であった。
「目が覚めた?リョウくん」
そこには笑顔のカレンの姿があった。
どうやら、気を失ったリョウを看病していたらしい。
「お母さん、やっぱり、僕負けたんだね?」
その問にカレンは苦笑する。
「覚えてないの?まあ、ガトリングまともに受けてたから仕方ないか。じゃあ、仕事に出てるお父さんから伝言ね。リョウくんのこれまでの努力と今日の試合の結果から、私たちはリョウくんがミッドに行くことを認めます。」
「へ?」
リョウは素っ頓狂な声を上げた。
今気がついたということは自分が負けたからに違いない。
だというのに、なぜ許可されたのだろうか?
「リョウくん、思い出して。お父さんは最初なんて言ってた?」
リョウは試合を始める前の父の言葉を思い出す。
『どちらかが参ったといった時点か戦闘不能になった時点で終了だ。』
「そう、最後のリョウくんの攻撃がお父さんの肩に入ってデバイスを落とした際にお父さんが参ったっていったの。その後にリョウくんが気を失ちゃったのよ。だからこの試合はリョウくんの勝利です。」
カレンは微笑みながら、ゆっくりとリョウの頭を撫でる。
リョウは実感がわかなかった。
それはそうだろう。あれは確実に自分の負けだ。きっと、親の情というものが働いて、自分の勝ちになったのだと、リョウは判断した。
「ねえ、リョウくん」
そんなことを考えていると、カレンが撫でるのを辞めて話しかけてきた。
「なに、お母さん?」
「あの時使
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