第五章
[8]前話
「そやから黙って見ててや」
「今からやろか」
麻里佳も言ってきた、見れば二人共泥酔寸前で足もふらふらしているがまだ意識はしっかりしている。
「酔拳でな」
「わたくし等格闘技は身に着けてないけどな」
「その要領でやってこな」
こう話してだった。
二人は酒乱状態に陥っている龍神やうわばみ達に向かってだった。
そのうえでだ、即座に覚醒の術を使って彼等の酔いを醒ました。すると彼等は我を取り戻してだった。
後は大会主催者と大蛇に怒られて二度とこうしたことを起こさない様にと誓いまで立てさせられた、神にとって誓いは重いことなので絶対にことだった。
こうして騒動は無事に終わった、だが。
二人はことが終わったところで遂に酔い潰れた、大会の運営側は二人をその宿に連れて行き布団の中に入れた。
二人はそのまま次の日の朝まで寝ていた、そして朝は二人共強烈な二日酔いで苦しみながら目を覚ましたが。
亜紀の手に一冊の書があった、亜紀は心の中に聞こえてくる言葉を麻里佳に話した。
「学問の勧めや」
「福沢諭吉やな」
「その書や」
「教育担当の亜紀ちゃんに相応しい神具やな」
「そやね、この神具もな」
手にしてその力を感じ取りつつ言うのだった。
「知力めっちゃ上げてくれるわ」
「それはええことやな」
「それでこれまでの二つの神具と一緒でな」
亜紀はさらに言った。
「知力だけやなくて政治力もな」
「上げてくれるか」
「知力程やないけどな」
「そうなんか」
「それでや」
さらにとだ、亜紀は話した。
「あの大会が神託やったからな」
「まさにそれやったな」
「神具を手に入れて」
そしてというのだ。
「うち自身もな」
「強くなったか」
「全体的にな」
「そうなったんやな」
「そや、ほなな」
「これからやな」
「次の場所行こうな」
そうしようと言うのだった。
「この世界を救う為に」
「そうしよな」
「ただな、まずはな」
激しい頭痛と全身の倦怠感を感じつつだ、亜紀は麻里佳に話した。
「このままやとどうにもならんから」
「酷い二日酔いやな」
「まずは何とか、這ってでもな」
「お風呂入ってな」
「二日酔い解消しよな」
「そやな、ほな今から」
「お風呂行こうな」
そこで二日酔いの酒を抜いてというのだ、こうしたことも話してだった。
亜紀の神託の後で二人はまずは風呂に向かった、そうしてすっきりしてから次の場所にと決意するのだった。
温泉街の騒動 完
2019・2・26
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