第二章
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手に当たり、森の中に隠れるように建っていた。外壁や柱の一部には薔薇を模した彫刻があり、それがこの教会のシンボルであるようであった。
「ほぅ…これはこの大陸では異端の教会だな。」
「かなり古いものと思われますが…ここから、何かの力を感じます。」
スランジェがそう言うや否や、マルクアーンはそれに返すことなくシュトゥフと共に中へと入った。そのためスランジェは慌てて魔術の光を教会内へと移動させ、ルークと共に二人を追った。
教会内へ入ると、内壁にも薔薇を模った彫刻が施されており、マルクアーンは壁際へと歩み寄ってそれに触れた。
「やはり…東大陸に見られる、聖エフィーリアを奉ずる教会であったか。」
「??????」
呟きにも似たマルクアーンの言葉に、三人は困惑した表情を見せた。シュトゥフも二人の魔術師も、その名を知らなかったからであるが、この大陸では異教であることだけは理解出来た。
その後、四人は手分けして力の出処を探したが、それらしいものは全く見付けることが出来なかった。
「どうなっているのだ…これだけ探して手掛かり一つないとは…。」
マルクアーンは苛立ち始めた。
この教会は然して広くはない。しかし、二人の魔術師は確かに力を感じていると言うのだ…。
だが、半時も探して隠し部屋もなく、何処かへ封じられている風でもないのだ。スランジェが探査の魔術を行使しても、それらしいものを見つけ出すことは出来なかった。
「シヴィル、ここではないのではないか?」
シュトゥフは疲れたように言ったが、マルクアーンの勘ではここに何かがあると言っている…。
「もしや…。」
マルクアーンは外へと出て裏手に回ると、あちこちの草を掻き分けて何かを探していたが、三人は彼女が何を探しているのか見当もつかなかった。
「マルクアーン様…急にどうされましたか?」
ルークが不思議そうに問い掛けた時、マルクアーンは何かを見つけたらしく、彼らに直ぐ来るようにと言った。
三人がマルクアーンの所へ歩み寄ると、そこには古びた井戸が口を開けていた。
「ルーク、この中に探査の魔術を。」
そう言われたルークは、最初はキョトンとしていたが、シュトゥフに「早くせんか!」と一喝され、直ぐ様魔術を行使した。
すると、その古井戸には横穴が開けられており、それがあの教会の下まで続いていることが分かったのである。
「見付からない訳ですね…。」
ルークが溜め息混じりに言うや、マルクアーンは再び何かを探し始めた。
「シヴィル、何を探しておるんじゃ。」
「縄橋子を作る材料だ。お主らも探せ!」
そう返され、三人は慌てて材料を探し始めた。
そこには丈夫な蔦や太い枝もあり、スランジェがそれらをを魔術で補強し、ルークとシュトゥフが共同で縄橋子を作り上げた。
出来上がっ
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