第一章
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闇の一族
綾乃そして彼女を含めた十人の神星の者達を中心とした太平洋の統一政権が成立してからその統治は順調だった、だが今太宰修治と海音寺喜久子は太宰の神託が都に受けたことから御所の小さい殿の中で二人で話していた。
「さて、私の神託ですが」
「そのことですね」
喜久子は太宰の前に座ったうえで応えている、フェアリーの喜久子は小さく彼の前にいてもその小ささが目立つ。
「一体どういった神託か」
「それがです」
「どうにもわかりかねますね」
「この都で何かあるとすれば」
日本そして太平洋の第一の都であるこの街でというのだ。
「ならず者か妖しい教団か」
「そうした存在ですね」
「そうした者達が闇に蠢いているのでしょうか」
「ならです」
ここでだ、喜久子は太宰に話した。
「そのことを私がです」
「調べて下さいますか」
「はい、そうして」
そのうえでと言うのだった。
「その謎を見極めて」
「そのうえで、ですね」
「神託を果たしましょう」
「そうですね、私は政務が多忙ですが」
太平洋の副宰相としてだ、太宰は日本の宰相であった時よりも多忙でそれで今も働いているのである。
しかしだ、それでもというのだ。
「神託は果たさねばなりません」
「左様ですね」
「ですから」
それでと言うのだった。
「ここはです」
「是非にですね」
「神託を適えます」
「ではまずその神託をですね」
「探しましょう」
「では及ばずながら」
太宰の言葉をここまで聞いてだった、喜久子は彼に畏まって述べた。
「私もです」
「警察を預かる立場として」
「はい」
まさにその立場でというのだ。
「協力させて頂きます」
「有り難いです、それでは」
「これよりですね」
「私は私の神託にあたります」
こう言ってだった、太宰は都にそのままいることもあって都に留まって政を行いつつだった。そうして。
警官である喜久子の協力を得てまずは自分の神託を探した、するとだった。
都の裏、所謂闇社会において恐ろしいまでの力を持っている一族がいた、これまでは表にいる者達は誰も気付かなかったが。
喜久子は太宰にだ、こう話した。
「密輸、人身売買、売春、殺人、誘拐、恐喝と」
「悪事の限りを尽くしていますね」
「はい、非合法な賭場も持っており」
「巨万の富を得ている」
「そうした一族が実は昔からです」
喜久子は太宰に彼の屋敷の中で話した。平安の趣の質素だがそれでいて風情のある品のいい屋敷である。
その中の一室でだ、こう彼に話すのだ。
「都にいてです」
「裏を支配していて」
「そうして都から」
日本の中心であるこの街からというのだ。
「さながら朝廷や幕府の様にです」
「勢力
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