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レーヴァティン
第九十二話 堺からその九

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「だからだ」
「その二国も手に入れて」
「どちらか先かはこれから考えるがな」
「二国も手に入れて」
「都もだ、都は商いが盛んで近くの宇治はいい田が多く茶も採れる」
 このこともあってというのだ。
「都もだ」
「抑えて」
「さらに力をつけてだ」
「勢力を拡大していきますか」
「統一を目指す」
 まさにそれをというのだ。
「そうしていく」
「わかりました」
「その様にな。しかし都は御所はあるが」
 ここで英雄はこの世界の都の話をした。
「帝はおられないな、御所は言うなら大社だ」
「そうですね、この世界で帝は祀られている神です」
 紅葉が英雄に応えて話した。
「この島の御所でも」
「そうだな」
「神武帝から今上の帝はどの方も神として祀られています」
「代々の方々がな」
 自分達の世界の歴代の天皇陛下がこちらの世界ではそうなっている、英雄もこのことについて言及した。
「そうだな」
「はい、ですから都は」
「御所という大社を中心として祀るな」
「そうした街ですね」
「この世界ではな」
「はい、そうした世界であり」
 それでというのだ。
「そこはです」
「わかっておく必要があるな」
「そうです、ですが御所のある都を押さえることは」
「この世界でも大事だな」
「この島の重要な宗教的権威を守護することになり」
「その大義名分は大きい」
「伊勢もそうですが」
 紅葉はかつて自分がいたそこのことも述べた。
「やはり宗教的権威はです」
「掲げると大きいな」
「その大義名分が」
「ならな」
「はい、それでは」
「是非だ」
 まさにとだ、英雄も述べた。
「俺もな」
「都もですね」
「押さえる、そしてやがてはな」
「伊勢もですね」
「そうする、大和と播磨、都のある山城の次も考えていく」
 この三国の掌握の後もというのだ。
「そうしていく」
「それでは」
「まずは軍勢を揃える」
 多くの優れた武具で身を包んだ彼等をというのだ。
「そしてだ」
「兵糧や塩もですね」
「用意してだ」
 そのうえでというのだ。
「攻められる様にしていく」
「そうして采配はですね」
「俺達が主に執っていく」
 そうなるというのだ。
「将そして軍師はな」
「そうです、我々がしなくては」
 まさにとだ、謙二も応えた。
「ならないです」
「俺達に一軍を率いられるか」
「そのことはですね」
「正直わからないが」
「やるしかないですね」
「だが誰が率いても勝てる様な軍勢なら」
 そうしたものならばというのだ。
「いいだろう」
「まずは、ですか」
「そうだ、数とだ」
 それにというのだ。
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