暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第九十二話 堺からその七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「降ってきている、岸和田の街もな」
「降ったしのう」
「かなりのものになった。それでだが」
「おう、次は何ぜよ」
「大和川、淀川だ」
 ここで二つの川の名を挙げたのだった。
「この二つの川をだ」
「治水か」
「そうだ、それを行う」
 今度はというのだ。
「特に大和側のな」
「あの川はこっちの島でもよく氾濫するっていうのう」
「だからだ」
 自分達の世界の大和川と同じくというのだ。
「あの二つの川をだ」
「堤を築いてじゃな」
「治める、そしてその水を使って船を行き来させてな」
「商いと漁をしてじゃな」
「田畑にも使う」
 即ち農業にもというのだ。
「そうしていく」
「ただ氾濫を防ぎだけじゃないのう」
「それも大事だが」
 それだけではないとだ、英雄は当季に話した。
「それだけで終わるものではない」
「民と領地を救ってさらに豊かにする」
「そうさせる為にじゃ」
「二つの川の治水をじゃな」
「徹底的に行う、勿論大坂を幾つも流れる川達もな」
 橋が多いのには理由がある、大坂の中はそれだけ多くの川が流れているのだ。そしてその川達に対してもというのだ。
「これまで以上にだ」
「堤を築いて橋をかけてか」
「そうしていく、壊れていればな」
 その堤や橋がだ。
「やはりこれまで通りな」
「治していくんじゃな」
「その様にしていく、岸和田や村々も同じだ」
「ではのう」
「治水をしていく、勿論道も築いて整える。街も整える」
 こちらも忘れていなかった。
「銭はある、存分に使う」
「やっぱり銭を儲けてよかったのう」
 当季は英雄の言葉を聞いて自分の働きを振り返って笑顔で述べた。
「まっことな」
「その通りだ、お陰で大坂を手に入れてな」
「そうしてじゃな」
「こうして政も出来ている」
「本当に何もかも銭じゃな」
「この世界でもな、ではな」
「大坂と堺の銭でな」
 まあさにそれでというのだ。
「政を進めてだ」
「その大坂も堺も含めて豊かにしてのう」
「さらに銭を得ていく」
「好循環じゃな」
「田畑が整い飯にも困らなくなっている」
 大坂も堺も大きな街即ち消費地だ、だがその消費地に兵達を養うだけの食料にも困らなくなっているのだ。
「ならな」
「田畑もじゃな」
「増やしていきな」
「いい田畑にしていくのう」
「そうもしていく」 
 治水の力も使ってであるのは言うまでもない。
「いいな」
「わかったぜよ、まっこといい流れになってきたぜよ」
「これで摂津、河内、和泉はほぼ完全に掌握出来る」
 大坂を中心としたこの三国はというのだ。
「ならな」
「ここからじゃな」
「三国の力を基盤にしてな」
「統一を進めていくのう」
「次は大和か播磨か」 
 英雄は三国
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ