第83話
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ユウナがリィンを睨んで制止の声を上げた。
「”だからこそ”、でしょう!?こういう時にあたしたちを上手く使えなくて何が”Z組教官”ですか!?」
「あ…………」
「…………昨日の夜ならいざ知らず、今の貴方が冷静だとは思えません。未知の領域に二人で踏み込む危険はお二人が一番わかっているはずでしょう?」
「教官の”切り札”も今は姫様達の護衛に割いている影響でその力は半減しているのでしょう?”救出確率”を上げる為にもサポートはどう考えても必要では?」
「それに”何か”あった時の戦力は多ければ多いほど、”救出確率”もそうだけど”生存確率”を高める事にもできるのだから、こういう非常事態こそ私の予知能力や魔術、それにユウナ達それぞれの”力”が必要なのだと思うわ。」
「…………それは…………」
「ふふっ、正論ですわね。」
生徒達の指摘にリィンが反論できない中セレーネは苦笑していた。
「――――わたしは別にミリアムさんのことを姉妹とは思っていません。でも、それでも…………!どうしても放っておけないんです!教官のことを!…………あの能天気でお姉さんぶってでも、わたしと良く似たあの人のことを!」
「…………あ…………」
「アル…………」
「…………そうか。」
アルティナが珍しくもはっきりと感情を表にした事やその理由にリィンとユウナは驚き、アルティナの事情を知っているクルトは重々しい様子でアルティナを見つめていた。
「てめえに何を言われるまでもなくこっちは肚を括ってんだっつーの。だが、決めるのはアンタだ。―――切り捨てるならとっとと言えや。」
「ふうっ…………(完全に頭に血が上っていたな。やっぱり俺もまだまだだな…………教官としても、一人の人間としても。)」
アッシュの指摘によって一息ついて冷静になったリィンは気を取り直してARCUSUを取り出して指示をした。
「命令を訂正する―――総員、最高レベルの戦闘準備を。念の為に演習地に連絡し―――ヴァリマールを呼んだら突入しよう。」
「お兄様…………」
「あ…………」
「ハッ、それでいいんだよ。」
「よーし、早速準備を整えよう!」
「――――もしもし、リィン君?」
「トワ先輩、至急各方面に連絡して頂きたいことが―――」
その後トワに連絡したリィンはヴァリマールを呼んだ。
「――――待たせたな、リィン。そしてセレーネとZ組の教え子たちよ。」
リィンに呼ばれ、空を飛んでリィン達の傍に着地したヴァリマールはリィン達に声をかけた。
「いや、予想以上の速さだ。来てくれて助かった、ヴァリマール。」
「よかった、無事に到着したみたいだね?」
「ええ、トワ先輩。突然ですみませんが助
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