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悪魔の書
第五章

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「天使も出てです」
「悪魔を追ってますか」
「そうかと」
「ほなです」
 それならとだ、由香も他の三人もだった。
 すぐに悪魔を探すことを誓った、そうして竹立にも約束してだった。 
 四人はすぐに図書館の中をまた調べはじめた、由香はここで三人に言った。
「天使は図書館の中におったし」
「悪魔もやね」
「まだ図書館の中やね」
「この中におるんやね」
「この図書館自体もかなりの結界やし」
 魔を封じて出さない、だ。ただ書を保管している部屋だけでなく図書館自体も結界にしていて幾重にも備えているのだ。
「そこを出ることも簡単やないから」
「それでやな」
「悪魔はまだ図書館の中におる」
「それで天使も」
「ほなまずはや」
 由香は仲間達と共に図書館の中を歩きつつ彼女達に話した。
「天使の影とな」
「会ってやな」
「そして天使と話して」
「一緒に悪魔探そうか」
「そうしよな」 
 こう言ってだ、四人で天使の影を見た文学のコーナーに赴いた。そしてそこで。
 再び天使の影を見た、それで由香は影に声をかけた。
「悪魔探してるんか?」
「悪魔?」
「そや、それで本から出たんやろ」
「え、ええ」
 その通りだとだ、影は由香達の方を振り向いて答えた。
「そうだけれど」
「そうか、それ協力させてもらいたいけど」
「そう言う貴女達は」
「私等はな」
 由香は自分達の素性を話した、すると天使の影も納得して頷いた。
「そうなのね、この世界を救う」
「そうしたモンやで」
「それなら有り難いわ、悪魔はね」
「何処におるか探してるんやね」
「そうなの、ただこの悪魔は随分と女好きで」 
「女の子を探してるんかいな」
「それも魔族や魔人の女の子が大好きで」
 それでというのだ。
「そうした娘のところにいるの」
「魔族に魔人かいな」
「十代で胸が大きくて黒髪でロングヘアで」
「悪魔はそうした娘を探してるか」
「見付けたら」
 自分のタイプの少女をというのだ。
「その娘を弄んで生贄にして」
「それでかいな」
「本来の力を解放してね」
「書に封印される前みたいにやな」
「暴れ回るつもりなのよ」
「そうか、ほなな」
「ほなっていうと」
 天使は由香に聞き返した、影なので何もかもが真っ黒でシルエットの様に見える。
「何か知恵があるの」
「あるで、そうした外見の娘を呼んでな」
 この図書館にというのだ。
「それで囮になってもらって」
「悪魔が来たところを」
「やっつけて」
 そうしてというのだ。
「書に連れ戻せばええんや」
「それでは」
「ほな早速仕掛けるか」
 由香は即座に司書の人そして都で全体の留守を預かる太宰にも話した、するとすぐに都にいる女子学生の中からだ。
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