第一章
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悪魔の書
この時林由香と田辺瑠璃子、野上紗枝、岡本雅美の四人は由香の神託で日本の都の図書館にいた。その図書館はこの世界最大の図書館であった。
何階もあり一階一階がかなりの広さの図書館の中にいてだ、由香は仲間達に言った。
「いや、漫画あるやろか」
「ファッション雑誌あるかな」
「旅行の本探そうか」
「ライトノベルあったらええな」
「そうした本もありますが」
図書館で勤務している司書の一人である黒毛の兎人の女が言ってきた、着ている服はこの図書館の制服である白い巫女のそれに似た服だ。名前を竹立亜矢菜という。
「ですが他にもです」
「ええ本一杯あるんやね」
「その蔵書はです」
司書は由香に真面目な顔と声で答えた。
「この世界随一です」
「まさにこの世界最大の図書館やね」
「そうです、様々な書がです」
まさにというのだ。
「ここに収められています」
「それで漫画もやね」
「漫画は素晴らしい文化です」
それでと言うのだった。
「ですから」
「それでやね」
「多くの漫画もこの図書館にはあります」
「ほなそっちに案内して下さい」
「はい、ただ」
司書の人は由香だけでなく他の三人も見て述べた。
「皆さんは神託でこちらに来られましたね」
「そうです」
その通りだとだ、由香は司書の人に答えた。
「ここに私の神託があるって言われて」
「それで、ですね」
「今はここにいます」
「ではです」
それならとだ、司書の人は由香に真面目に言うのだった。
「そちらを先にです」
「いや、働いたらです」
由香は四人の持論も述べた。
「お仕事持ってるんやったら」
「真面目に働くべきですね」
「負けですから」
給料を貰ってるならというのだ。
「ですから」
「いえ、そこは」
「いやいや、就職してたら」
それならというのだ。
「クビにならん位に働けばええですさかい」
「負けですか」
「そうです、働いたら負けです」
またこう言うのだった。
「ですから今は」
「漫画をですか」
「読んで」
そうしてというのだ。
「リラックスしてから」
「そのうえで、ですか」
「神託のお仕事をと」
「そうですか、ではそのことは副宰相殿に」
「いや、太宰さんには」
彼の名前が出てだ、由香は司書の人に慌てて言った、見れば他の三人も太宰の名前を聞いてこれまでのお気楽さがなくなり焦っている。
「お話せんで下さい」
「ですが」
「あの人に聞かれたら怒られますから」
実に率直な言葉だった。
「そうですさかい」
「ですが」
「わかりました、まずは真面目に働きます」
不本意だが、という言葉だった。
「そうします」
「そうですか」
「図書館を歩き
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