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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第38話:Scratch
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…クス…エックス!!起きてエックス!!」
「っ!!ゼロ!!」
勢い良く起き上がるエックスに隣にいたエイリアは多少驚くが、エックスが起きたことに安堵の表情を浮かべた。
「大丈夫エックス?あなたかなりのダメージを受けて気絶していたのよ?」
「ダメージ…そうか、ゼロのアースクラッシュで…」
「悪いけど、あなたのその状態の経緯を知るために少しメモリーの内容を見させてもらったわ…データ反応は…間違いなくゼロだった…」
「そうか……ゼロを助けるために戦ってきたのに…何をしてるんだ俺は…ん?このアーマーは…?」
皮肉の笑みを浮かべて下を向くと、ボディが何時もの物とは違うものに変化していることに気付いた。
「新しいボディパーツ…?」
「多分、ライト博士からの贈り物よ。あなたが受けたダメージは相当な物のはずだった。でもライト博士は咄嗟にボディパーツを転送することであなたのボディへのダメージを回復させてくれたんだわ」
「そうか………」
「エックス、ボディパーツのバックアップは既に取ってあるから…トレーニングルームで体の調子を確認してもらえるかしら?」
「…分かった」
そしてトレーニングルームに到着し、エイリアが出した仮想エネミーとの戦闘が始まるが、ここでアクシデントが起こった。
「!?バスターに変形しない!?」
「エックス!!」
攻撃が当たる直前に訓練を強制終了させる。
「そんな…」
「回路には異常はないはずなのに…どうして…」
変形しないバスターにエックスとエイリアが動揺する中、ケインからの通信があった。
『大変じゃ!!シグマの軍団がシティ・アーベルに攻撃を仕掛けておる!!このままでは街が壊滅してしまうぞい!!』
「攻撃…でも今のエックスじゃ…」
エイリアは両腕を震わせるエックスを見遣ると、足をケインの元へと進ませる。
「エイリア…!!」
「Drと話して打開策がないか検討してみるわ。私達はあなたに頼りすぎていたし、今のあなたには休息が必要だもの」
親友から攻撃されたと言う事実はエックスの心を打ちのめして戦える精神状態ではない。
去ってしまったエイリアを止めようとしてもエックスの声には力がなかった。
「俺は…」
『助けるべき友がお前を攻撃したと言う事実が、お前の心を傷付けて、バスターを封じてしまったのじゃな』
「ライト博士…」
背後にはライト博士のホログラムがいた。
『じゃが、エックス…心の傷を理由にして目の前の現実から目を逸らし続ける訳にもいかないと言うのも分かっとるじゃろう?』
「…………はい」
『…武器を失ったなら、力なき者の盾となって守ろう…以前のお前ならそう考えたじゃろう…
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