三十七匹目
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家の事は家の中だけで済ませるのだそうだ。
馬車から降りると森の近くだった。
「これから二人には森に入ってもらう。危なくなったら空に逃げなさい。直ぐに迎えにいくから」
あ、シャクティがムッとなった。
奥さんがアイサインを送ってきた。
手綱握れってか。
森に入る。
背の高い木々が並んでいて、下には草が生えている。
腰のホルスターに入れている魔方陣を刻んだディアマンタイトナイフを確認する。
うん…大丈夫。
問題は…。
「シャクティ」
「なに? キツネ君」
ご機嫌のシャクティだ。
「シャクティまさか一緒に散歩したかっただけ?」
「そうだが?」
マジかよオイ。
「ここにはあのお転婆姫も毛玉もこない…キツネ君を独り占め…!」
「シャクティならいつでも来ていいと思うよ? たぶん、クーちゃんもOKするでしょ」
「そうなのか?」
「たぶん」
「では聞いてみるとしよう」
そんな風にシャクティとまったり森を散歩している時だった。
ピン…、と魔力が震えた気がした。
「シャクティ。戦闘用意」
革の籠手の上から氷のツメを纏う。
遥か前方に、黒い影。
四足歩行で、体高は一メートルはあるだろう。
「フォレストウルフだな」
シャクティが呟く。
その狼が唐突に遠吠えする。
「シャクティ。仲間呼んだみたいだけどどうする?」
「きつね君とのデートを邪魔したケダモノをぶっころす」
物騒だな…。
「シャクティって前衛?後衛?」
「前衛だ」
シャクティが剣を抜く。
なんとカタナだ。
「振れるの?」
「この剣なら、振れる。これは切り裂く事に特化してるからな」
「そ」
前方に狼が布陣する。
その他にも回り込んで包囲しようとしている。
以外と頭がいいのかな?
「とりあえず、先手を撃とう」
脚から地面へ魔力を流す。
そして流した魔力を自分を中心に半径15メートル程のサークル状に循環させる。
「ウォータライト・ピルム・ムーリアリス」
地下十数センチで円環していた魔力が形を無し、斜めに突き出た剣山のサークルを作る。
感覚は30センチ、長さは1メートルほど。
そしてピルム・ムーリアリスの内側にも魔力を流しておく。
「なにしたの?」
「即席トラップ」
狼が駆けてくる。
後ろからも、魔力の揺らぎが来る。
ピルム・ムーリアリスを避けようと、狼がジャンプした。
「アゥフォーフ!」
ピルムムーリアリスの内側流した魔力を具現化し、上に氷鉱槍を突き
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