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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と回想、I・アイランド編
NO.099 回想《4》 集まる者たち、その1
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デヴィットの研究室から出てきた出久とメリッサは通路を歩きながらも、

「ちょっと……大丈夫? なんかさっきから嘘みたいに暗そうな顔をしていたけど……」
「だ、大丈夫です……。ちょっと……」
「そう……?」

出久は言えなかった。
デヴィットの視線がまるで研究品を見るような、ヴィランとは違うが利用したそうな視線をしていたことなど。
まして娘であるメリッサになど正直に話すなんてことは憚れるというものである。
だから曖昧にやり過ごすことにした。

「あ! それと今更だけど、貴女のことはなんて呼べばいい? ミドリヤさん? イズクさん?」

そうメリッサに聞かれた出久は少し考え込んで、するといつもの麗らかな顔の親友の顔が思い浮かぶ。
そして出た呼び名が、

「僕のことは……デクって呼んでください」
「デク? 変わったニックネームね」
「はい。とある友達にいい意味でそう呼ばれているので僕も前向きに受け入れているものでして」
「そっか。それじゃ私の事はメリッサでいいわ」
「はい、メリッサさん」

それから二人はエキスポ会場にやってきて、さまざまなパビリオンを見学しながらも、その技術力に驚きの表情をしながらも、

「本当にすごいですね。まるで夢の国見たいです」
「ふふふ。デクちゃんも気に入ってくれてよかったわ。大都市のようなところにある施設も大抵は揃っているの。だから退屈はしないかな? ただ、代わりに旅行ができないのが難点ね」
「そうなんですか?」
「うん。ここで暮らしている科学者や家族には情報漏洩の為に守秘義務があるから外には数々の申請をして許可がおりない限りは外に出れないの」
「はえー……やっぱり大変なんですね」

改めて、この人工の島は厳重なセキュリティで守られているのを実感した出久であった。
すると目の前に様々なヒーロー達が歩いているのを見て、

「すごい! カイジュウ・ジーロー、ゴジロだ! あ、あっちには!」

と、ヒーローマニアの出久としては目の保養ともいうべき光景であり、メリッサはそんな出久の事を微笑ましい表情で見守っていた。

「最新のサポートアイテム紹介とか、サイン会とか色々あるみたいなの」
「さすがI・エキスポですね!」

来れてよかったーと心からそう思う出久であった。

「夜には様々な関係者を集めたパーティも……って、デクちゃんも出席するんだよね? マイトおじさまの同伴者なんだし」
「えっ……あ!」

そういう事かーと出久は納得していた。
していたのだが、まさかこういう場でのためにオールマイトが正装を用意しておいてくれと言っていたのかと悟る。
だが、出久はそこで考え込んだ。
まだあの“ドレス”を着る気が起きないというか……。
引子が出久がこの話をすると
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