EX回:第71話<挺身>
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
?)
私は船内の艦娘たちを見て、ハッとした。
(私たちは孤独ではない)
艦娘たちと指揮官……そうだ。鎮守府の隊員は、まさに一蓮托生なんだ。
このブルネイの伊勢のように一時的に躊躇したとしても誰も咎めはしない。足りない部分は、お互いに支え合えば良い。それが同志なんだ。
私の美保鎮守府への着任だって偶然ではないのかも知れない。お互い足りない者同志であっても。それが仮に指揮官と艦娘たちであっても何を躊躇う必要があるだろうか?
お互いに壁を無くして、本音で心を通じ合わせること、それが一蓮托生だ。
(そう思えば私はまだまだ遠慮がある。むしろブルネイの司令を見習うべきか)
そんなことを考えた。
やがて対岸の桟橋が見えてきた。
「テイトクぅ」
「司令ぇ!」
(比叡2号と金剛だな)
いつもは避けたくなる金剛の呼び掛けにも、なぜかホッとした。
(思わず大声で返事をしたい気分になるな)
さすがに理性が、それを止めた。私は苦笑した。
だが直ぐに、こっちの船内から大声で艦娘たちが叫ぶ。
「オーイ!」
「ぽいぃ!」
青葉さんと夕立だった。この二人には遠慮なんて言葉は無縁だろう。
(軍隊として、或は美保の龍田さん的にも、彼女たちの行為は好ましくはないのだろうか?)
だが、その掛け声に俯いてたブルネイの伊勢も顔を上げた。
(いや船内だけじゃない)
敵に攻撃されて意気消沈していたような桟橋周辺の誰もが、艦娘たちに励まされるような気持ちになったに違いない。
「今夜、この場ではオッケーだな」
私は微笑んだ。
出来るとか、出来ないとか、新しいとか、古いとか。そんなことは、どうでも良い。私たちは同志。そして艦娘と一蓮托生、それで良いんだ。
手を振る艦娘たちが、とても輝いているようだった。
以下魔除け
Reproduction is prohibited.
禁止私自轉載、加工 天安門事件
Prohibida la reproduccion no autorizada.
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ