猫娘と回想、I・アイランド編
NO.098 回想《3》 デヴィット・シールド
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上がり始めて次第にトゥルーフォームの姿になってしまっていた。活動限界だったのだろう。
「トシ……大丈夫か!?」
「た、助かったよ、デイヴ……マッスルフォームを維持するのにももうかなり時間が減ってしまってな……」
「メールで症状は知っていたが、そこまで悪化していたなんて……」
「すまん……それより、先ほどの緑谷ガールに向けた視線はなんだったんだい、デイヴ……?」
まだ咳込みが続いている中でオールマイトはその事をデヴィットに聞く。
デヴィットはそれで内心で「気づかれていたか……」と思いながらも、隠す事でもないのでオールマイトに考えていたことを白状することにした。
「ミドリヤさん……彼女の治癒の個性は、君には適応しなかったのかい……?」
「やっぱり、そこに勘づくよな。さすがは科学者だ」
「笑いながらはぐらかさないでくれ。もしかしたらトシの体が治るかもしれないんだろう!? あの、リカバリーガールですら治せなかった脊髄の損傷を治すほどの治癒力……彼女の個性を研究すれば君の体が治るかもしれないだろ!?」
「デイヴ……」
オールマイトは鬼気迫るデヴィットの顔に、相当自身の事について心配をかけている事を改めて悟る。
それで横になりながらもオールマイトは出久について話し始める。
「……確かに、緑谷ガールのその治癒の個性の事を聞かされた時にはわずかな希望を湧いたものだったよ。だけど、それでも一度失った器官までは再生できるほど万能でもないんだよ」
「と、いうと……?」
「緑谷ガールの治癒の個性は、まだ完治していなくて手遅れでなければ元の状態にまで復元できるほどの強力な個性なんだ」
「すごいじゃないか!? だったらどうして……」
「言ったろ? 完治していなければの条件下で、だ。私の傷は胃の全摘出後に入院し療養して、外面だけでも一度は『完治』してしまっているんだ。だから緑谷ガールの個性『与える』という個性はただ寿命を延ばすだけの代物になってしまうんだ」
「寿命を延ばす……? それに『与える』だって……?」
それでデヴィットの脳内ではある事がいろいろと加速した。
ある意味でマッドサイエンティストとも言える事も考えに上がっている。
「トシ……もしかしたら、お前の傷は治るかもしれないぞ?」
「なんだって……? それはどういう……」
「ドナー提供だ」
「ドナー提供……?」
オールマイトは不思議そうに首を傾げるだけだった。
しかし、とも思う。
「しかし、それと緑谷ガールの個性がどう関係してくるんだい?」
「そうだね。手順を説明すると、まずドナー提供で健康な胃をもらい、そして手術で胃を移植するときにお腹に傷を開くだろう」
「うむ」
「そしてオールマイトのお腹に胃を移植した状態でまだ接合しただけでお腹を
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