猫娘と回想、I・アイランド編
NO.098 回想《3》 デヴィット・シールド
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であった。
そんな二人の後ろからメリッサが、「どう、驚いた、パパ?」と言ってきたためにデヴィットもまだ現実だと認識できていないために曖昧な表情を浮かべながらも「ああ……とても驚いたし、嬉しいよ……」と答えるだけであった。
「お互いにメリッサに感謝だな。しかし、こうして会うのは何年ぶりだろうな……」
「歳の事に関してはやめてくれ。お互いに考えたくないだろう?」
「違いないな」
そんな軽いやり取りが行われていたが、ふと二人は静かになり、
「会えて、嬉しいよ……デイヴ」
「私もだよ、オールマイト」
そうこうしたがこうしてお互いに落ち着いて再会の挨拶ができたのであった。
拳を合わせながらも、オールマイトは入り口でわなわなと震えている出久に顔を向けて、
「緑谷ガール。紹介しよう。彼はメリッサの父であり私の親友・デヴィット・シールド―――」
オールマイトが最後まで言い切る前に、
「知っています! デヴィット・シールド博士。数々の賞を受賞して、“個性”研究のトップランナー! そしてオールマイトの数々のコスチュームを開発した天才発明家!! まさか、こんなところで会えるだなんて……感激です!」
そう言ってデヴィットに駆け寄る出久。
そんな出久に「紹介はいらなかったみたいだな」とオールマイトは言う。
だが、デヴィットはオールマイトの口から出た『緑谷』という苗字にすぐに聞き覚えがあったのか鋭い視線を出久に向ける。
「ミドリヤさん……君はもしかして、あのヒーロー復帰は絶望的だと言われていたインゲニウムの脊髄損傷を治療したという……」
「えっと、はい。よく知っていますね」
「それはもう……」
それでデヴィットは鋭い目つき……表現するとしたら科学者の目だろうか?そんな視線を出久に向ける。
さきほどまでのオールマイトとのやり取りが嘘みたいに、出久は一瞬ではあるがその瞳に怯えてしまった。
ただ、メリッサはそんな二人のやり取りに気づかなかったのか、「パパ……?」と首を傾げるだけであった。
オールマイトも「デイヴ?」とメリッサ同様に首を傾げていた。
少しそこでシンッ……とした空気が流れるが、オールマイトの突然の咳込みでデヴィットの思考は現実に戻ってきたのか、
「トシ!?……メリッサ。オールマイトとの久しぶりの再会だ。すまないが、積もる話をさせてくれないか?」
「え? あ、うん……」
「それとミドリヤさんをI・エキスポの案内をしてやったらどうだ?」
「わかった。それじゃいきましょう?」
「う、うん……」
先ほどまでの興奮もなぜか無くなっていた出久はメリッサに従うままに部屋から出ていった。
ついでにデヴィットはサムも退出させていた。
三人が部屋を出ていったと同時に、オールマイトの体から煙が
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