episode2『全てが変わる日』
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かし風が抜ければすぐにしぼんでいった。
そうして遮られていた視界が開けて、ようやく音の主がその姿を見せる。
滑らかなシルクのように美しい、真っ白な髪。まるで宝石のように透き通った純白の瞳。それは確かに、彼女が“魔女”であるしるし。
その姿を知っている。だって今日、直接ではないが知ったばかりなのだ。こういうのを“噂をすれば”とでもいうのか、いや、少し違うかもしれないが、それにしたって奇妙な縁もあったものだ。
積み上げられたいくつもの本の山の中心にぺたんと座り込んで、手元に収まった本――たった今シンが探していたそれを読む少女。こうして近付いてもまるで意識を本に吸い込まれてるみたいに、目線をページから外そうとしないその少女。
「……君、は」
そう呼び掛けてようやく、シンの接近に気付き視線を上げた、彼女は。
昼間、教会を訪ねてきた1組のブラッドスミスが探していた、至高の“魔女”。魔鉄に愛され、製鉄師をその身一つで戦略兵器と呼ばれるまでに昇華させる、ただ一人のための戦乙女。
宮真妃波、その人であった。
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