暁 〜小説投稿サイト〜
ユア・ブラッド・マイン―鬼と煉獄のカタストロフ―
episode2『全てが変わる日』
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同じく外人だがこちらは少々小柄――外見的には13から14歳といったところだろうか――の少し暗い銀髪の女の二人組。女の方は一見シンとそう変わらない歳に見えるが、シンの予想が正しければまず見た目通りの年齢ではないだろう。

 二人はどうやらシンの代わりに応対をしていたシュウヤ――シンの一つ年下の少年と話していたようで、その体の大きさによる威圧感のせいか、シュウヤは少し腰が引けてしまっていた。無理もない、慣れない客人の対応をさせてしまった上、相手は外人だ。

「ごめんシュウヤ、お待たせ。後は変わるよ」

「シン兄っ!?お、おかえりっ、後お願い!」

 ビクビクとしながら裏に引っ込んで行ったシュウヤに代わって二人組に向直れば、鋭い二つの視線がキッとシンの顔を睨みつける。そんな威圧的な目にも特に反応を示すこともなく、淡々と軽い笑顔を浮かべながらシンは口を開いた。

「弟がすいません、あまり人と接するのに慣れていなくて。何かご用件でしょうか?現在はシスターも神父様も出払っているので、重要なご用件であればこちらから伝えておきますが」

「……へぇ、勇気があるねボウヤ。こんな厳つい男、君くらいの歳なら怖がったって無理ないでしょうに」

 最初に口を開いたのは女の方。その髪と同色の銀の瞳を細めて面白そうにシンを見つめる彼女は、近場の長椅子に腰掛けて大仰に足を組み、その唇の端を釣り上げる。他所の家――もとい教会での非常識な行動に内心ムッとするが、それは態度には出さない。社会にはこういう人物などいくらでも居るだろう、一々文句を言っていてはキリがない。

「あまり時間を取らせるのもなんだし、用件だけ言うわ」と、女は胸元のポケットに指を差し込んで一枚の写真を抜き出し、こちらに見せるように開く。その写真には彼女と同じ……いや、彼女のそれよりも更に透き通った、白銀の髪と眼を持つ、シンと同程度の外見年齢をした少女が写っていた。

宮真妃波(ミヤマ・ヒナミ)。歳は11、髪と眼を見ればわかると思うけれど、格別な魔女の資質を持ったそれはもう貴重な子なの。この子を探してるんだけれど、この辺りで見てないかしら?」

「……聞いたこともない名前です。魔女体質の人を見たのだって、最後に見てから貴女で何年かぶりなくらいですから」

 銀髪銀眼の女性、それは世間一般でいうアールヴァ……つまりは『魔女』の素質を持っている事を表す外見的特徴。

 製鉄師、つまりは全世界において戦争の形をその存在一つで変革させた異能力者達、『ブラッドスミス』が存在する為に必須な存在であり、その力の源泉でもある『魔鉄分』をそのアストラル・ボディ――詳しくは分からないが、魂のようなものなのだろうか――に蓄えた存在。彼女らはその特徴として、その素質が高ければ高いほど銀色に近づく髪と眼
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