貉(むじな)共の悪巧み・2
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んでも艦隊のアイドルでもないので、悪しからず。作り方はシンプルだが、かなり美味いぞ。
美味しく作るポイントだが、クレソンは出来るだけ新鮮な物を選ぼう。見分け方としては、葉が黄ばんだり黒ずんだりと変色していない事。茎がカーブしているのは茎が柔らかい証拠であって、萎びている訳ではないので然程気にしなくていい。
さてと、下準備としてはクレソンの根元を切り落とし、葉と茎に分ける。
鉄板にバターを溶かして熱し、クレソンの茎を炒めていく。茎がしんなりしてきたら、葉の部分を加えて塩を軽く振り、更に炒める。
葉もしんなりしてきたら醤油を回しかけ、全体に絡ませる。仕上げに生ウニを加えて軽く炒め合わせたら完成。
「はいお待ち、お通しの『ウニクレソン』だ。オススメは食べる時に軽くレモンを搾って、バゲットに乗っけて食べるのがいい感じだよ」
それに備えてレモンも切ってあるし、バゲットも鉄板の隅で温めてある。家でやる場合には鉄板じゃなくてフライパンで炒めればいいし、バゲットはトースターで焼いてくれ。俺の話を聞いてたのか聞いてなかったのか、叢雲がむくれている。
「ちょっと、早く言いなさいよ!もう半分食べちゃったじゃない!」
「いや、この短時間で半分平らげてるとか予想外だから」
自分が食い意地張ってる事にプンスコされても、俺にゃどうする事も出来ん。他の皆はウニクレソンにレモンを搾り、焼いたバゲットに乗せて楽しんでいる。ウニから染み出したエキスがバター醤油の塩気とクレソンの風味が混じりあって絶妙な味のソースを作り出す。それをカリッとするまで焼いたバゲットに吸わせて食べると……
「酒が進むな、これは」
「そうね、シャンパン1杯位じゃ足りないわ」
「まぁ、酒もいいの揃えてるから好きなの注文してくれ」
酒泥棒と化す。まぁ今日は祝いの席だ、値段がどうのこうのは言わねぇさ……俺は、な。
「折角の鉄板焼きだ、ステーキでも焼いてもらおうか?」
「あいよ、何にする?神戸に近江、松阪に田子牛、宮崎牛に南部短角牛、珍しい所では大田原牛なんてのもあるが?」
「……牛肉の卸業者でも始める気かね?」
「まさか。最近ステーキの焼き方の研究に凝っててな、その一環で色んな肉を買ってる」
最近アメリカ出身の艦娘が増えてきたせいか、鎮守府がちょっとしたアメリカンブームでな。それでか知らんが、最近ステーキの需要が右肩上がりなんだ。
「ならその研究の成果、見せてもらおうか」
「いいとも、見せてやろうじゃないの」
美味いステーキを家で焼くやり方もあるんだが、それはまた今度な。今はそれよりも目の前の狐野郎と楽しい仲間達に聞きたい事がある。
「そういやぁ、第一世代の
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