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おぢばにおかえり
第四十九話 合格してからその十七

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「ずっと一緒に暮らしていたし。けれど寮の娘達も女の子で」
 皆そうです、言うまでもないことですが。
「お父さんとは結婚出来る筈ないしお母さんとはもっとだし」
「ですか、まあいいです」
「いいの」
「はい、今は」 
 何か困った感じの顔で私に答えました。
「いいです」
「何か困ってるの?困ってるなら」
 阿波野君のその困った感じのお顔を見て言いました。
「何か言って」
「言ってっていいますと」
「だから。私に出来ることなら」
 こうした時はやっぱりお互い様ですから、こう言いました。
「言ってね」
「困ってないですよ」
「そうなの?」
「ですからこれからですから」
 それでというのです。
「僕は」
「何かそれからなの?」
「まあおいおい」
「わからないこと言うわね」
 阿波野君は時々こうなります、言っていることもわからないですし何を考えているかもわからないです。
「また」
「僕はわかってますよ」
「阿波野君自身はなの」
「はい」
 今度は笑顔での返事でした。
「よく、だからいいです」
「そうなのね」
「そういうことで。じゃあ教祖殿にも行って」
「そうしてよね」
「祖霊殿にも行きましょう」
「このままね。こうして回廊を一周させてもらうと」
 そうした参拝をさせてもらうとです。
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