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珍獣の子供
第六章
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 呻り声をあげて戦おうと構え男の子を守っていた、しかし彼が戦闘に入る前にだった。有島と宮沢は二人でモンスター達を全て倒していた。
 その戦闘の後でだ、有島は微笑んで言った。
「このことも村の皆にお話するでやんす」
「ホワイトが僕を守ろうとしたことも」
「そうするでやんす」
「そうしてくれるんだ」
「あんたのこの森のホワイトとのことも聞かせて欲しいでやんす」
「そのこともなんだ」
「全部村の大人の人達に話すでやんす」
 男の子にこのことを約束してだった、そのうえで。
 有島は宮沢そして男の子達と一緒に村に戻ってから村の皆に男の子とホワイトのことを全て話した、特に彼が男の子を守ろうとしたことを。
 その話を聞くとだ、ホッキョクミズライオンが北極の厳しい自然の中で生きている猛獣だとしてもだった。
 そうした心ならとだ、男の子が飼うことを許した。すると有島はこっそりと素性を明かして島の背役所にことの次第を話して村に男の子を助け万が一ホワイトが暴れた時に備えて獣を操れる職業である獣使いを一人希少動物保護の名目で来てもらう様に手配した。村の周りには他にも稀少な動物がいたので獣使いの仕事はこちらでも意義があった。
 男の子は家出は怒られたが命は無事だったのでそれでよしとなった、尚二人は彼の両親からの報酬は受け取らず。
 そうして村を後にする前に村の居酒屋でことが無事に終わった時にだ、宮沢はソーセージとビールを楽しみつつ有島に言った。
「一連の流れを読んでいたとだ」
「わかったでやんすな」
「そだ、ただあそこでペットが男の子を助けようとしなかったら」
「動物園に渡すことをでやんす」
「男の子に言っていただか」
「そうしていたでやんす」
「そうはならなかったでやんすが」
 それでもというのだ。
「あの流れになるとあっしは最初から読んでいたでやんす」
「そだか」
「そしてこれが神託だったでやんすな」
 ここでだ、有島の前にだった。
 お守りが出た、そのお守りはというと。
「鬼平のお守りでやんすか」
「あの火付盗賊改めだか」
「その長谷川平蔵が身に着けていたものでやんす」
「そだか」
「あっしを様々な攻撃から守ってくれるでやんす」
「それは強いお守りだな」
「あっしは義賊、戦うことも多いでやんすから」
 そうした職業だからだとだ、有島は笑って述べた。
「有り難いでやんすよ」
「そだな」
「それで神託を果たして力もやんす」
 自分自身のそれもとだ、有島は話した。
「かなり強くなったでやんす」
「それもいいことだな」
「実にでやんすな、ではでやんす」
「ソーセージとビールの乾杯の後は」
「しこたま飲んで食べてでやんす」
「それからだな」
「次の場所に行くでやんす」
 そのお守りを手にしながら
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