第六章
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湧水の上を行き来させて救助を行わせた、その間二人は水の中にいて地底湖の方からまた魔物達が出て来ても救助の邪魔をしない様に警戒していた。
救助自体は順調で怪我人から救助されてだった。
そうして全員救助されてからだった、地底湖につながる穴が二人の魔物からの警護のうえで水中でも自由に活動出来る種族の救助隊の者達や泳ぎが達者に飴を舐めさせたうえで活動させてだった。
大きな岩を幾つも使って塞がれその後で湧水の水が全て汲み出され全ては終わった、全て終わるまで時間がかかったが何とか終わった。
二人は佐渡の者達の深い感謝の言葉を受けつつ島を後にすることになった、そして佐渡の港に来た時に。
ふとだ、宮沢の手にだった。
一枚の大きな青いマントが出て来た、宮沢はそのマントを見て有島に話した。
「おらの中で声が言ってくるだ」
「何とでやんすか」
「これは風の又三郎のマントだ」
「あの童話のでやんすな」
「そだ、あの不思議な奴のだ」
有名なあの作品の主人公のというのだ。
「マントだ」
「また凄いものでやんすな」
「これを羽織ると」
心の中で言ってくる声を聞きつつだ、宮沢は話した。
「空を飛べて防御力もかなり上がる」
「そうしたマントでやんすな」
「そだ、そして神託を果たしたので」
このこともあってというのだ。
「おらは全体としてだ」
「強くなったでやんすか」
「一回りそうなっただ」
こう言うのだった。
「そうなっただ」
「そうでやんすか」
「よかっただ、ほなだ」
「これからでやんすな」
「次の場所に行くだ」
宮沢はその背にマント、又三郎のそれを羽織った。そうしてから言うのだった。
「そうするだ」
「そうでやんすな、あっし等のやることは世界を救うことでやんす」
「これで終わりではないだ」
「それで、でやんすよ」
「行くだ」
「承知でやんす」
有島も笑顔で応えた、そしてだった。
二人はまた一歩踏み出した、その二人の前に。
二羽のつがいの白い顔の目の周りが赤く嘴は黒い鳥が飛んでいるのが見えた。宮沢はその鳥を見て言った。
「朱鷺だか」
「佐渡らしいでやんすな」
「この世界では日本中にいるだども」
「佐渡で見たらやっぱり格別でやんすな」
「佐渡の鳥は朱鷺だ」
自分達が起きている世界のイメージからだ、宮沢は言った。
「そだからだ」
「自然と思えるでやんすな」
「いいものを見ただ」
宮沢は蛇のその顔を微笑まさせて述べた。
「それでいい気分になったからだ」
「その気分で、でやんすな」
「次の場所に行くだ」
こう言ってだ、宮沢は有島と共に佐渡を後にした。そうしてこの世界を救う為にまた働くことを誓うのだった。二人の上にはまだ朱鷺達が飛んでいた。
坑道の
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