第三章
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「助けてだ」
「小舟を行き来させてですね」
「助けていくだが」
「問題は巨大魚でやんすね」
魔物がとだ、有島も述べた。
「百メートルもある巨大魚なんてそうそう相手に出来ないでやんす」
「他にも地底湖にいた水棲の魔物達が出ています」
彼等もとだ、魚人の者が話した。見れば鮒の頭をしている。
「巨大魚だけでなく、ですからおそらく小舟を出しても」
「襲われるでやんすね」
「そうなりますので」
このことがすぐに察することが出来るからだというのだ。
「どうにもです」
「小舟もだか」
「出せないです」
「わかっただ」
ここまで聞いてだ、宮沢は頷いた。それで救助隊の面々に話した。
「おら達が水の中に入ってだ」
「巨大魚も他の魔物達もですか」
「やっつけてだ」
そうしてというのだ。
「小舟が安全に行き来出来る様にするだ」
「そうしてくれますか」
「では今から水の中に入るだ」
「そうでやんすね、ただ」
ここでだ、有島は宮沢に話した。
「あっしはオーガ、雄作は蛇人でやんす」
「だからだな」
「水の中で自由に動ける種族ではないでやんす」
宮沢にこのことを話すのだった。
「二人共泳ぎは達者でやんすが」
「そだな、そのことをどうすっか」
「神具はどんな場所でも威力も効果も落ちないでやんすが」
「戦闘は問題ないだが」
宮沢の神具である弓矢の水破も有島の神具である刀の遅来矢もというのだ。
「それでもだな」
「二人共泳ぎは出来てもでやんす」
「お水の中での呼吸は出来ないだ」
「それをどうするかでやんすが」
「それならです」
すぐにだ、魚人の救助隊の者がまた言ってきた。
「一ついいものがあります」
「何だ」
「飴です」
それがあるとだ、二人に話した。
「南洋の方であるとか」
「飴だか」
「はい、舐めていますと」
そうすると、というのだ。
「水中でもそのまま動ける」
「そうしたものがあるだか」
「観光地で売っているとか」
「ではそれをだか」
「ここまで持って来られれば」
それでというのだ。
「かなり楽に戦えますが」
「そだか」
「時間がかかりますが」
それでもとだ、魚人の者は言うのだった。
「ここまで持ってきてもらいますか」
「移動の術を使えば出来るだ」
すぐにここまで持って来られるとだ、宮沢は考えてから答えた。
「それが出来るだ」
「それでは」
「ならそれを使うだか」
「それでは」
「なら一旦ここから出てだ」
「それで、でやんすな」
有島も言ってきた。
「そこから都にあっし等が移動の術で行って」
「そこで事情を話してだ」
「南洋の方から飴を持ってきてもらいやすな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
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