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【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
吹雪く水月7
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 エイジと同時に両手を上げて手のひらを開く。その掌の先に、世界を劈く程の圧倒的存在感を纏う碧の剣が顕現する。エイジが一人で展開したそれとは1メートル弱。対して目の前のこれは、10メートル近く。一人ではおのずと限られる力も、二人でならばここまで練り上げられる。

 これで決める。
 万感の想いを込めて、二人は刃を敵に向けて振り下ろした。


『『拒止の風剣(レフュースエッジ)銀世界(オーバースノオ)オオォォォーーーーーッ!!!』』


 瞬間――振るった剣の直線状を、爆弾のような突風と万物を拒止させる白氷の冷気が蹂躙した。
 抵抗も許されない氷結が地面、破片、氷、コンクリート、果ては魔鉄のフレームに至るまで一切を容赦も分別もせずに凍てつかせ、空気さえも銀世界へと染め上げてゆく。

 それはさながら、エデンが採掘の際に迷い込んだあの白い世界が、現実に浸食してきたかのようであった。
 
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