暁 〜小説投稿サイト〜
【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
吹雪く水月
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
器を複合的に組み合わせたことで静音や停止等の多機能化を可能としているらしい。

 どうして呼び出した人の元にピンポイントで到達するのかについては、伝票(タグ)がビーコンと発射スイッチを兼任しているから。ちなみにビーコンがないと宇宙に旅立って二度と帰ってこないなどの様々な事情から、兵器への転用は不可能らしい。出来たらお手軽ステルス爆弾完成だから仕方ないだろう。

 また、射出承認が面白半分では上手くいかない理由は、単なる意志の出力の問題を利用したセーフティだという。簡易化・小型化した分、強く念じないと現実を歪めるためのエネルギーが足りないんだそうだ。半面、必要だと絶対の自信があればあっさり通るので、いざというとき使えないとはならないという。
 
 ちなみにエデンも質問した。このロケット撃ち落されたらどうするんですか?と。
 返ってきた答えは、「こいつは丈夫かつ極超音速で飛行してるシロモノだ。これを撃ち落せる奴が相手なら相対した時点で既に手遅れだ」、とのこと。多分先生なら出来るんだろうなぁ、と思った。大気圏外ホームランとか決めても別に驚かないと思う。
 
「という訳で、お前らの魔鉄器もBIS登録してあるから試しに呼んでみろ。悟のには予備魔鉄器が入ってる。学園用設備での発射だから、学園を卒業するまでは使える」

 そう言って先生が各製鉄師にタグを渡していく。途中で美杏と美音を間違えて渡すフリをするという小粋なジョークを飛ばしつつ、全員がタグを手にした。という訳で、一斉にシャウト。

 「来い!双牙追(そうがつい)!」……と、武器名らしいものを叫んでみる天馬。
 「射出承認」……と、先生の言ったままでやる真面目なエイジ。
 「「ジェミニプリティ☆ふらーっしゅ!」」……と、変身少女的キメポーズを二人でする双子。
 「出でませい!」……と、とりあえず叫ぶ派に合わせてポーズをとってみるお茶目な八千夜。
 「来い」……と、ぶっきらぼうに呼ぶものぐさな悟。

 ……実に性格の出る呼び出し方であった。

 その後も課外授業は続いたが、そんなに難しい話はせず、なんだか社会見学みたいな雰囲気で続いた。どうやらこのタグも万一の際のための渡してくれたそうだが、普通に考えて学校内で襲撃される可能性はほぼないと思う。ヘタな軍の駐屯地より戦力あるし。

「先生って結構心配性だよね。なんかパパみたい」
「パパ〜美杏に服買って〜!」
「パパ〜美音あのネックレス欲しい〜!」
「自分で買え、俺にたかるな双子共!」


 ――このBISを予想より遥かに早く使うことになる事を、この頃のエデンは想像もしていなかった。
 
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ