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【ユア・ブラッド・マイン】〜凍てついた夏の記憶〜
皐月の雹2
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想像できん!!」
「でも、案外若い頃にやんちゃしてた人が先生になると優秀だったりすんだよねー」

 閑話休題、最後の一つだ。

「さて、ここまでの流れはいわば必須手順なのだが、最後の一つは必須ではない。それがトリガー行動だ。術におけるルーティーンみたいなものだな。具体的には、パートナーである魔女との接触だ。手を握るのが代表的だな。最後に説明を回しはしたが、詠唱発動前や途中でやっても問題はない」

 術の発動には、想像以上に精神の集中力が必要だ。そして術の源は契約した魔女の鉄脈から流れ出ている。すなわち、鉄脈を有し力を貸してくれる魔女の存在を強く認識することで、集中力を素早く収束させる。これがトリガー行動の意義だという。

「必須ではない、とは言ったが、複雑な手順でもないので初心者のうちはやっておくことをお勧めする。でないと初撃の威力が小さくなったり、二度目からやっと発動するなんて恰好のつかないことになるぞ。イメージが素早く収束できるようになればもう必要ないが、絆の再確認という意味で続けるコンビもそれなりにいる。まぁ……なんだ。キスとかする奴もいるが、自己責任でやれよ。ヘタすると卒業までからかわれるからな」
「いたのか。やった奴が」
「さっき話題に出たいい加減な奴だ。男だった」
「あいつかッ!いやどいつか知らんが!」
「ちなみにキスしろと言い出したのは魔女の方だったりもする」
「勝手に末永く爆散してろッ!!」

 悟・永海コンビには辛そうなシステムである。
 しかし、そういう事ならうちは困らないか、とエデンはエイジの手を握った。間を置かず、エイジが握り返す。血は繋がらずとも家族同士、普段からよくやっているので別に恥ずかしくもない。

「ちなみに集中力が必要という点に絡めてだが、移動したり他の作業をしながらの詠唱は注意力が散漫になり、かなり難しい。詠唱時はできるだけ落ち着いた状態でやれ。ありきたりだが深呼吸も有効だ」
「……さて、もう説明は十分だよね、リック?そろそろ本番やっちゃう?」
「そうだな……俺が術を発動させるとさっきの圧がまた出てしまって集中力が散るだろう。凪原、天掛。お前らが手本を見せろ」

 ルーシャ先生に頷きリック先生が指名したのは、天馬と朧。二人は頷き数歩前に出る。
 二人は互いを見つめ、そして契約魔鉄器の刀を掲げ、斜め十字に交差させる。

掘削開始(マイニング)、ユアブラッドマインッ!!」
掘削許可(ろうでぃんぐ)、まいぶらっどゆあず!!」

 天馬の叫びに対して朧は少したどたどしい英語だったが、力強く応える。
 瞬間、二人の持つ剣を中心に自然ならざる風のような圧が周囲に放出される。

製鉄(スティールオン)――『駿馬千里駆(オーバーランナー)』ッ!!」

 瞬間――微
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