凍てついた夏2
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら本末転倒じゃないのだろうか。
まず国から通知が届く。内容はAFS患者治療は国民の義務だからやれやコラ、という実質的な命令状である。これに選ばれた魔女は指定された日に病院に集まって、その気があろうがなかろうが採掘をさせられる。断ったら決して安くない罰金を払われれるし、拒否回数2度目からは強制執行という噂も聞いたことがある。
中には「これ成功したら聖学園入学に有利じゃね?」と患者側の意見完全無視な事を考えたり「そんな辛い症状の人を放っておけません!」とテンプレートな性善説人間もいたりはする訳だが、無理矢理はいかんよキミ、と私は思う。
一度どっかのブログで「国選魔女選ばれた。政府くたばれ」という過激なタイトルの一文が掲載されて物議を呼んだこともあったのだが、結局のところ国は苦しんでる患者が将来戦術級製鉄師になることを期待してこんな無茶をやっているのだろうというのが、一定の教養を持った人々の見解である。
事実、この治療で具合の良くなった人が国のスーパーエリートに出世したことも結構あるらしい。政府に言わせれば激レア確定ガチャを回してるようなもんである。
お察しの方には言わずもがな、私を含むここのメンバーは全員が国選魔女である。
既に採掘チャレンジが始まって割と経つのだが、その間に採掘に向かった魔女は全員返り討ちにあって帰っている。採掘失敗にホッとしてる人もいれば力になれなかったとしょぼくれて帰っていく人、やることやったからと速攻で帰った人など様々だ。受けた人曰く「超寒かった」そうなので、患者さんはかなり極寒な認識世界を生きているようだ。
「交通費払うって言うけどさぁ、そういう問題じゃないよね〜」
「国民の義務と言いつつ魔女にしか課されないってのもなんか納得いかな〜い!」
「今日『くりドラ』のコンサート行く予定だったのに〜!」
「私は家でゴロゴロする予定だったのに〜!」
今のは私の発言である。周囲に対して圧倒的にレベルが低いかと思ったが、意外にも反応は芳しい。
「いや実際それよ。なんだかんだで家でゴロゴロする時間国に取られるのって一番納得いかなくない?」
「国民の自由を守れー!魔女差別反対ー!」
「強行採決絶対ヤメロー!」
何やら右寄りの抗議団体みたいなノリになってきた。ここにいるの小〜中学生くらいなのだが、どうやらみんな魔女という立場柄か年に合わない話題に対して理解があるようである。単純に20歳近い人もいるのかもしれないが、なにせ我々魔女は外見年齢が永遠にアリスであるので割とどうでもいい。
私?私は親の影響かな。なにせあの人たち現役で問題と戦ってる人達ですもん。
ちなみにここで話し合ってるのは割と最初から話の合った5人くらいで、全員アドレス等交換済みである。いやぁ、友達に魔女い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ