第七章
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その彼がだ、二人を見てこう喚いてきた。
「お前等何だ!訴えるぞ!」
「全てわかっている」
遠藤はその伊藤を睨みつけて返した。
「やるのならだ」
「どうだっていうんだ」
「やるが」
「ふん、不法侵入で正当防衛だ」
わざとこけてみせてからだ、伊藤はこう言った。
「俺は今暴力を受けたな」
「はい、受けました!」
「こいつ等が突き飛ばしました!」
「俺達が証人です!」
伊藤の後ろにいるならず者達も言ってきた。
「こいつ等強盗ですぜ!」
「強盗は許しちゃいけやせん!」
「とっととやっちまいましょう!」
「そうだな正当防衛だやっちまえ!」
伊藤も他の者達もそれぞれドスや棒を出してきてだった、二人に襲い掛かった。だが所詮はならず者達であり星の者でありかつ魔物との闘いや戦を潜り抜けてきた二人の敵ではなく。
一瞬で倒された、ここで鸚哥だけでなく黒い羽根の梟も来て鸚哥に尋ねた。
「何だこの連中」
「ああ、おいらを捕まえてな」
「そうしてか」
「ご主人の奥さんと娘さんを助ける為にな」
「呼んだんだな」
「そうか、じゃあな」
これでとだ、鸚哥は二人の上を飛んでいる自分のところに来た梟に話した。
「今からな」
「奥さんと娘さんのところに行ってな」
「お二人を助け出そうぜ」
「そちらにも案内してくれ」
坂本も二羽に言った、そうしてだった。
ネクロマンサーの妻子、コボルトの彼等は無事に救出されてだった。
伊藤と彼の一派は誘拐やヤクザ者としての悪事が暴かれ新聞社は廃刊となり彼等は開拓地で無期強制労働の刑に処せられることになった。そしてネクロマンサーは。
「家族を人実に取られていたので」
「そうして本人の意思によるものではなかったので」
「はい、それに命も奪っていないので」
坂本は遠藤に応えて二人に彼のことを話した。
「ですから」
「情状酌量が認められてですか」
「無罪となりました」
「そうですか」
「そして市長もです」
怨霊に憑かれていた彼もというのだ。
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