第六章
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「便所にも行くな」
「風呂にも入るだろ」
「そして食事もな」
「家にも帰るだろ」
「そうした場所でか」
「祟ってるんだよ」
「だからか」
「ああ、怨霊自体はこの部屋にいないんだよ」
そうだというのだ。
「外にいたんだよ」
「そうだったのか」
「ああ、それでおいらと梟の願いはな」
「ご主人をか」
「あんな悪党から解放してな」
そしてというのだ。
「この仕事も中断させてもらいたいんだよ」
「そのことはわかった」
「なら頼めるか」
「わかった、ではすぐにだ」
遠藤は目を怒らせてだ、鸚哥に答えた。
「伊東のところに案内してくれ」
「すぐに行くな、おいらが嘘を言ってると思わないのかよ」
「今で確信した」
遠藤は鸚哥の笑っての言葉に不敵な笑みで返した。
「これまで疑って聞いていたが」
「嘘かも知れないってだな」
「今お前は自分が嘘を言ってると思わないかと言ったな」
「それがどうしたんだよ」
「今の言葉もだ、どちらも嘘を言っている者の言葉ではない」
「ああ、そうなんだな」
「嘘を言っていると隠す」
そうするというのだ。
「誰でもな、だがお前は隠さなかった」
嘘、それをというのだ。
「嘘を言っているのと思わないのかと言ってな、そしてそれがどうしたとな」
この言葉もというのだ。
「嘘を言っているとあれこれ否定するが」
「それがっていうんだな」
「一言であっさり返した、嘘を言ってるならな」
「どれも言わないってんだな」
「そうだ、お前が知らないこともあるだろうが」
「嘘はかよ」
「言わない、ではその伊藤のところにだ」
そこにというのだ。
「案内しろ、そしてだ」
「ご主人をか」
「助け出して市長もだ」
当の彼もというのだ。
「救い出すぞ」
「ああ、じゃあな」
こうしてだった、鸚哥は早速二人をネクロマンサーの妻子と攫って捕らえている伊藤の家に行った、するぐ柄の悪い者達が出て来てだった。
伊藤も出て来た、細長い顔でガチャ目でスキンヘッドの人相の悪いスコーンだった。スーツが異様に似合っていない。
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