第五章
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遠藤は確信してだ、坂本に言った。
「昼に市長室の窓によく来る鸚哥と梟はです」
「ネクロマンサーのですか」
「使い魔か何かですね」
「そうですか」
「それで市長を監視しています」
「それでは」
「はい、その鸚哥や梟を追っていけば」
それでというのだ。
「そこからです」
「ネクロマンサーにですね」
「辿り着けます」
「では」
「自分達は鸚哥か梟を追います」
その彼等をとだ、遠藤は坂本にさらに話した。
「術を使って」
「姿や気配を消して」
「そうしてです」
「術も使えるのですね」
「自信があります」
かなりの術を使えることもだ、遠藤は坂本に話した。
「ですから」
「そちらを使ってのこともですか」
「任せて下さい」
坂本にこう答えてだ、遠藤と武者小路は市長室の中で秘かに気配を消してだった。昼に鸚哥が来るのを待ったが。
やがてその鸚哥が来るとだ、遠藤は風の様に素早く動き。
窓を開けて鸚哥を掴んだ、そうして鳥に問うた。
「この部屋に何の用だ」
「くっ、まさか」
「そうだ、貴様は市長を監視しているな」
「そ、そうだよ」
黄色い羽毛の鸚哥だった、鸚哥は掴まれ苦しい口調で答えた。
「ご主人に言われてな」
「口が軽いな」
「ご主人も嫌々なんだよ」
「嫌々?」
「そうだよ、やらされてるんだよ」
「その話詳しく聞かせてくれるか」
「ああ、夜は相棒が来るけれどな」
鸚哥はそちらの話もした。
「どうせ気付いてるんだろ」
「梟のことだな」
「そうだよ、おいらも相棒もな」
鸚哥は観念したかの様に話した、二人はその鸚哥を部屋の中に入れてそれで窓を閉めたうえで解放して話していた。
「嫌々監視してるんだよ」
「ご主人に言われてか」
「ああ、ご主人はネクロマンサーの先生だけれどな」
この職業のというのだ。
「伊藤に奥さんと娘さんを攫われてな」
「そうして二人の身の安全を脅迫されてか」
「本当に嫌々なんだよ」
「市長に怨霊を憑かせているのか」
「伊東のご先祖様のな」
「その怨霊の姿が見えないけれど」
このことをだ、武者小路が指摘した。
「気配はあってもね」
「不思議なことにな」
それはだ、遠藤も話した。
「市長に憑いていることは間違いないが」
「肝心の怨霊の気配がね」
「市長自身にないな」
「そうよね」
「ああ、この部屋には憑いていないんだよ」
鸚哥は二人にこのことも話した。
「というか市長さん大抵この部屋にいてもな」
「市長室にか」
「いつもいるかい?」
「人間ならだ」
それならとだ、遠藤はすぐに察した。
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