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おぢばにおかえり
第四十九話 合格してからその十六

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「阿波野君はいつもそう言うけれど」
「けれど何度も言いますけれど声優さんは」
「小柄な人多くてっていうのよね」
「そうしたルックスも人気なんですよ」
「小さくて何がいいのよ」
 私には理解出来ないことです。
「女の人はやっぱりモデルさんみたいにね」
「高身長で、ですか」
「スラリとしたスタイルで」
 こう思っています、私は。
「そういうのがいいんでしょ」
「それは好みの問題ですよ」
 阿波野君は自分の考えを語る私にあっさりと答えてきました。
「小柄な人がいい人もいますから」
「そうなのかしら」
「はい、ですから先輩も自信持って下さいね」
「自分の小柄さに?」
「そうです、自信を持って」
 そしてというのです。
「傍にいる人と一緒になればいいんです」
「傍に?誰かしら」
「ですから傍に」
「いつも傍にいるっていったら」
 私が思う人はといいますと。
「同じお部屋の娘達?_それともクラスメイトの娘達かしら」
「同じ東寮のですか」
「そうした娘達?」
「いや、それは」
 阿波野君は私の言葉に少し呆れた感じになって言ってきました。
「違うと思います」
「違うの?」
「はい、傍にです」
「そう言われても。お父さんとお母さんかしら」
「そこでそう思われます?」
「だって今は別れて暮らしているけれど」 
 私が寮に入ってです。
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