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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- /Part4 復活のシジルさん
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がある。それで眠らせてしまえば…
「…なーんて、見え透いた嘘に私が引っ掛かるとでも?」
「!」
瞬間、タバサを目に見えない衝撃が襲う。彼女は扉を突き破り、その身を音楽室内の壁に打ち付け磔にされた。
「きゃあ!?」
突然の訪問者に、音楽室にいたトネーたちの悲鳴が上がる。
「タバサ!?ち、既にここを嗅ぎつけていたのか」
タバサの姿を見てヴィリエが小さく舌打ちする。
そのタバサは、壁に張り付いた自分の体を動かそうとするが、体が動かない。まるで自分が壁に貼り付けられたシールのようだ。
この女は…まさか!
「人間じゃない…!」
「は?なにを言ってるんだタバサ」
「そもそもあなたどうしてここにいるのよ?もう下校時間過ぎてるでしょ?」
ヴィリエとトネーが嘲笑うような口調でタバサに言った。彼女はキュルケと一緒にいるということもあってか、トネーはタバサのこともあまり快くとらえていなかった。
「貴様らが偉そうに言う立場ではあるまい。ネズミの接近を許すとは…下校時間だからといって油断したか」
トネーたちを見る女性教師の高い声が、野太い男のような低い声に変貌していた。
「嘘…じゃあ、この先生は…」
「シジルさん…なの…!?」
野太い声で自分たち見下すような言動を聞いてトネーの取り巻きの女子生徒たちが、女性教師の姿をしたそいつか後ずさりする。
「大方、本来なら我は儀式の末に現れるはずの存在故に、まだこの世に存在していないとでも思いこんでいたのだろう?違うんだな…それが」
「あなたは、まさか…ずっと?」
「そう、我はずっと存在していたのだよ。この世に、人の身を借りた状態でな」
今頃気づいたのか、と言いたげに少女たちを見下ろしながら、女性教師の姿をした悪魔はふん、と鼻息を飛ばし、自身のいきさつを話しだした。
「遥か昔、我はかつてこの星に恐怖と絶望を誘い、それを食らうことで我が身を定着させ強大なものとした。力を持ってすべてを統べる存在となるために。
だが、忌々しいことに我が力は、我が野望を阻む者どもによって霧散し、我は一度は虫にも劣る畜生に落ちた。屈辱だったよ…この宇宙すべてを支配するはずの我が、たかが人間という羽虫と、そんな虫けらごときに加担する正義の味方気取りなどに…我の野望が食い止められるなど…」
女性の顔とは思えないほどに、タバサに見せた彼女の顔は醜く歪み始めていた。その顔から、人間では及びもつかないほどの長い年月の間に蓄積した怒りと憎悪が垣間見えた。
「我は再び世に復活するべく、我に力を与える秘術を人間に残した。貴様ら人間は欲望に忠実だからな…利用のし甲斐はいくらでもあった」
「それが、黒魔術…!」
自分がいつか復活を遂げるために、周到に自分を復活させる術を残していた。この怪物の狡猾さと執念、もはや自分たちが密かに討伐し続け
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