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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒魔術-Dark Majic- /Part4 復活のシジルさん
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!」
トネーの怒りに、男子生徒……ヴィリエが同調した。彼女の憎悪を鎮めるどころか、自分のそれと共々に煽りだした。
「ヴィリエ、あなたは私の一番の同志ね。あなたはタバサ、私はキュルケ…そう、私たちは選ばれた人間。この世の汚い奴らも、ムカつく奴らも…何もかもを私たちの思いのままにしていい権利を、『シジルさん』から手に入れたの!それを放棄するなんてありえないわ!」
ヴィリエが自分と同じ姿勢を保っていることに喜びを覚えてトネーは笑い声をあげた。
「それを邪魔するというなら、あんたたちも容赦しないわよ…!?」
「ちょ…冗談でしょ!?私たちは…」
「トネー、ヴィリエ…」
「だったら邪魔なんかしないで協力しなさい。あんたたちの気に入らない奴らも消してあげるんだから」
「「……」」
残され、立ち尽くす女子高生二人。
もはやキュルケとタバサに対する殺意のみではなく、あまつさえ自分の邪魔をした者ならたとえ彼女ら本人でなくとも消すと断言している。
完全に、暴走していると言えた。

(ここだ…!)
間違いないと見たタバサは、杖を構えて、魔法の詠唱を行う。
トネーはキュルケを排除するためになりふり構わなくなっている。キュルケは確かに同性から反感を買いやすい。恋をするなら一直線すぎるところが、彼氏のとっかえひっかえに繋がっていたから。
ヴィリエはというと、静かに読書していたところで、自分より優れているのが気に食わないという、正直どうでもいい理由で自分に因縁を吹っかけてきたことがある。ただ一つ許せなかったことがある。愛する『母』をネタにヴィリエが侮辱をしてきたことが、タバサには許せず、彼が突っかかった時に魔法で灸を添えた。それが逆に彼の小さなプライドに傷を負わせたのだろうが、今もなおあの男はトネーたちと共に見逃せない行為に走ろうとしている。今度はキュルケを、そしてこの町を争うとしているのだ。許していいわけがない。
いつでも魔法が放てる状態にしたことろで、扉のドアノブに手を触れた。
「あら、タバサさんじゃない」
「!」
タバサは後ろから聞こえた声に対してとっさに振り返る。
「こんな夜遅くに音楽室に何の用かしら?」
姿を現したのは、学校の女性教師だった。
「…コーラス部の同級生が、忘れ物をしていたって言っていたから、それを取りに来た」
その同級生というのは、ハルナのことだ。彼女を勝手にダシにしたのは無関係の本人に悪いだろうが、今はそんなことを言っている場合ではない。この先生も関係者ではないので、自分たちが裏でビーストなどの人外と戦っているなどと説明するわけにいかないのだ。
「忘れ物ですって?こんな時間に?」
訝しむように目を細めてタバサを見る。少し苦しい言い訳だったか。でもなんとしてもここを切り抜けないと。
眠りの魔法〈スリープクラウド〉
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